医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
間質性肺炎は、肺胞の壁(間質)に炎症や線維化が生じ、肺が硬く縮んで膨らみにくくなる疾患の総称である。乾性咳嗽と労作時息切れを主徴とし、原因は特発性(IPFなど)、膠原病、薬剤、粉塵など多岐にわたる。進行すると蜂巣肺を呈し、予後不良となることが多い。
呼吸器症状:乾性咳嗽(痰を伴わない)、労作時息切れ(徐々に進行する)
身体所見:捻髪音(吸気終末の fine crackles / ベルクロラ音)、ばち指(低酸素血症の慢性化による)、チアノーゼ
※進行すると肺高血圧症を合併し、右心不全症状(浮腫、頸静脈怒張など)を呈する。
初期評価
進行性の労作時息切れと乾性咳嗽、聴診での背部下肺野の捻髪音から強く疑う。
検査
胸部X線・高分解能CT(HRCT)で、両側下肺野・胸膜直下優位の網状影、すりガラス影、蜂巣肺、牽引性気管支拡張を認める。
呼吸機能検査で『拘束性換気障害(%VC<80%)』および『拡散能(DLco)低下』。動脈血ガスで低酸素血症。
血液検査でマーカー(KL-6、SP-D、SP-A)の上昇。自己抗体(膠原病のスクリーニング)を必ず測定する。
確定診断・分類のため、必要に応じて気管支肺胞洗浄(BAL)や外科的肺生検(VATS)を行う。
治療方針
原因が特定できる場合(膠原病性、薬剤性、過敏性など)は、原因の除去と基礎疾患の治療(副腎皮質ステロイド、免疫抑制薬)を行う。
最も頻度が高い『特発性肺線維症(IPF)』に対しては、進行を遅らせるために『抗線維化薬(ピルフェニドン、ニンテダニブ)』を投与する。
低酸素血症に対しては在宅酸素療法(HOT)、急性増悪時(急速な呼吸不全の進行)にはステロイドパルス療法や免疫抑制薬などの強力な治療を行うが、極めて予後不良である。
病態
通常の肺炎が肺胞「内」の感染(細菌性など)であるのに対し、間質性肺炎は肺胞の「壁(間質)」の炎症・線維化である。壁が厚く硬くなるため、酸素の取り込み(拡散能:DLco)が低下し、肺が膨らまない(拘束性換気障害:肺活量低下)状態となる。
試験・臨床での重要ポイント
聴診での『捻髪音(ベルクロラ音:マジックテープを剥がすような音)』と『ばち指』が超定番の身体所見。血液検査での特異的血清マーカーである『KL-6』『SP-D』『SP-A』の上昇が頻出。
画像(胸部HRCT)では、両側下葉・胸膜直下優位の網状影やすりガラス影を認め、進行すると『蜂巣肺(honeycombing)』と呼ばれる不可逆的な嚢胞状変化をきたす。
最大の注意点は治療方針の違いであり、最も頻度の高い『特発性肺線維症(IPF)』にはステロイドが原則無効(かえって急性増悪を招くリスクがある)で抗線維化薬を使用するが、非特発性(膠原病性や過敏性など)にはステロイドや免疫抑制薬が著効する場合があることである。
覚え方・コツ
「間質性肺炎は『肺の壁が分厚く硬くなる』病気!痰の出ない咳(乾性咳嗽)と、動いた時の息切れ。背中の下の方で『マジックテープを剥がす音(捻髪音)』が聞こえる。血液マーカーは『KL-6』。CTで『蜂の巣(蜂巣肺)』になったら元には戻らない。IPF(特発性肺線維症)にステロイドは効かないから抗線維化薬を使え!」
ここで読んだ内容を、AIや関連コンテンツでそのまま深掘りできます。
過換気症候群は、精神的・心理的ストレスを背景に発作的な過呼吸状態となり、血液中の二酸化炭素(CO2)が過剰に排出されることで、呼吸性アルカローシスおよび様々な身体症状をきたす病態である。
薬剤性肺障害は、医薬品の副作用として引き起こされる肺疾患の総称であり、多くは「薬剤性間質性肺炎」の形態をとる。原因薬剤の同定と速やかな中止が治療の第一歩となる。
びまん性汎細気管支炎(DPB)は、呼吸細気管支(気道と肺胞の移行部)を中心に慢性炎症をきたす、日本を中心とした東アジアに特異的な疾患。副鼻腔炎(蓄膿症)を高率に合併し、マクロライド系抗菌薬の少量長期投与が劇的に奏効する。
肺腺癌は、原発性肺癌の中で最も頻度が高く(約60%)、非喫煙者や女性にも多く発症する。肺の末梢(肺野)に発生しやすく、EGFR変異などのドライバー遺伝子変異が高率に見つかるため、分子標的治療が予後を劇的に改善している。