医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
網膜血管の閉塞により急激な視力障害をきたす疾患群である。動脈閉塞(CRAO)は「Cherry-red spot(桜実紅斑)」が特徴的な超緊急疾患であり、静脈閉塞(CRVO)は「火炎状出血」が特徴で、黄斑浮腫に対する抗VEGF薬が使用される。CBTや国試で対比して頻出する。
【CRAO】:発症時刻を特定できるほどの「突然の無痛性の高度視力低下(眼前手動〜光覚弁)」。
【CRVO/BRVO】:急激な視力低下、霧視、飛蚊症(出血が及ぶ範囲や黄斑浮腫の有無による)。
初期評価
突然の無痛性視力低下から直ちに眼底検査を行う。
検査
【CRAO】眼底検査で網膜の蒼白・浮腫とCherry-red spotを確認。対光反射の求心性路障害(RAPD)陽性。
【CRVO/BRVO】眼底検査で網膜静脈の著明な怒張・蛇行、広範な火炎状出血、軟性白斑を確認。OCTで黄斑浮腫を評価。蛍光眼底造影検査(FA)で無血管野(NPA)や血管からの漏出を確認する。
【CRAOの治療】
発症後数時間以内の血流再開が視力予後を左右する超緊急疾患。直ちに「眼球マッサージ」や「前房穿刺(眼圧を下げて血流を促す)」を行う。並行して血管拡張薬や血栓溶解薬(ウロキナーゼ)の点滴静注・球後注射を行う。
【CRVO/BRVOの治療】
黄斑浮腫に対して「抗VEGF薬硝子体内注射」やステロイドのテノン嚢下注射を行う。無血管野(NPA)が広い場合は、新生血管(およびそれに伴う血管新生緑内障)の発生を防ぐため「網膜光凝固術(レーザー)」を実施する。
【網膜中心動脈閉塞症(CRAO)】
動脈硬化や血栓・塞栓により、網膜中心動脈が閉塞する。「突然の無痛性・高度の視力消失」が特徴。網膜は虚血で白濁するが、中心窩(黄斑のど真ん中)だけは脈絡膜からの血流で赤く透けて見える『Cherry-red spot(桜実紅斑)』が絶対暗記。発見後すぐに眼球マッサージ等で血流再開を図る『超緊急疾患』である。
【網膜(中心/分岐)静脈閉塞症(CRVO / BRVO)】
高血圧や動脈硬化により、静脈の血流が鬱滞・閉塞する。眼底に放射状に広がる『火炎状出血』と、虚血のサインである綿花様白斑(軟性白斑)が超頻出。出血や黄斑浮腫の程度により視力低下や飛蚊症をきたす。黄斑浮腫には抗VEGF薬を使用する。
覚え方・コツ
「動脈閉塞(CRAO)は突然真っ暗!網膜真っ白の真ん中に赤い点(Cherry-red spot)。一刻も早く眼球マッサージで血栓を流せ!静脈閉塞(CRVO)は血が詰まって大爆発、放射状の『火炎状出血』。水浸し(黄斑浮腫)には抗VEGF薬!」
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抗リン脂質抗体症候群(APS)は、自己抗体である抗リン脂質抗体が陽性となり、動静脈の血栓症や習慣流産(不育症)を引き起こす自己免疫疾患である。体内で血栓ができやすいにもかかわらず、検査(in vitro)ではAPTTが延長するのが特徴的な引っかけである。
脊柱管狭窄症は、加齢に伴う骨や靱帯の変形により脊柱管が狭くなり、中の馬尾神経や神経根が慢性的に圧迫される疾患である。高齢者に多く、歩行により下肢痛・しびれが出現し、休むと改善する「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」が特徴的である。
椎間板ヘルニアは、椎体間のクッションである椎間板の髄核が線維輪を突き破って脱出し、脊髄や神経根を圧迫する疾患である。若年〜壮年の男性に多く、腰痛とともに片側の激しい下肢放散痛(坐骨神経痛)やしびれをきたす。
全身性エリテマトーデス(SLE)は、多彩な自己抗体(特に抗dsDNA抗体)が産生され、全身の皮膚、関節、腎臓、中枢神経などに炎症をきたす多臓器疾患である。20〜40代の女性に好発し、Ⅲ型アレルギーによる免疫複合体の沈着(ループス腎炎など)が病態の核心となる。