医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
耳硬化症は、アブミ骨の前方が卵円窓(前庭窓)に異常な骨増殖によって固着し、音の振動が内耳に伝わらなくなることで伝音難聴をきたす疾患である。CBTや国試では、Gelle試験陰性、Cahartの陥凹、Schwartze徴候、およびアブミ骨手術が頻出の重要疾患である。
進行性の伝音難聴(両側性が多い)
耳鳴り(低音性)
Willis誤聴(騒音下の方が言葉の聞き取りが良くなる現象)
※めまいを伴うこともある。
初期評価
妊娠契機や家族歴のある進行性難聴から疑い、耳鏡検査で鼓膜が正常(またはSchwartze徴候陽性)であることを確認する。
検査
①純音聴力検査:伝音難聴と『Cahartの陥凹(2000Hzの骨導閾値上昇)』を確認。
②ティンパノメトリー:As型(頂点が低く、動きが硬い)。
③アブミ骨筋反射(SR):消失(固着しているため反射が起きない)。
④『Gelle(ジェル)試験』:陰性(外耳道に圧をかけてもアブミ骨が動かないため、音の大きさが変化しない)。
⑤側頭骨CT:前庭窓前方の骨透亮像(脱灰化)を確認する。
保存的治療
補聴器の装用(伝音難聴であるため、補聴器の適合は非常に良好である)。
外科的治療(根本治療)
難聴の根治には手術が必要である。固着したアブミ骨底板に小さな穴を開け(開窓)、そこにテフロンやピストン状の「人工耳小骨」を引っ掛けて音の伝達を再建する『アブミ骨手術(アブミ骨底開窓術など)』を行うことで、劇的な聴力改善が期待できる。
病態
耳小骨の最後方にある「アブミ骨」の底板周辺に海綿状の骨増殖が起こり、アブミ骨が卵円窓にガッチリと固定されてしまう(アブミ骨固着)。これにより音の物理的伝達が阻害される。
原因
欧米の白人女性に多いが日本人にもみられる。常染色体顕性(優性)遺伝の傾向があり、「妊娠・出産」を契機に発症・悪化することが多い。
試験での重要ポイント
「進行性の伝音難聴(後に混合性難聴となる)」をきたす。周囲が騒がしい場所の方がかえって声が聞き取りやすい『Willis(ウィリス)誤聴』が特徴的。鼓膜は正常だが、鼓膜を通して赤みを帯びた充血が見える『Schwartze(シュワルツ)徴候』が頻出。検査では、外耳道に圧をかけても骨導聴力が変わらない『Gelle(ジェル)試験陰性』と、オージオグラムで2000Hzの骨導のみが低下して見える『Cahart(カハルト)の陥凹』が絶対暗記キーワードである。
覚え方・コツ
「耳硬化症は、アブミ骨が窓(卵円窓)にガッチリ固まって動かない(伝音難聴・Gelle試験陰性)!妊娠で悪化。2000Hzだけ骨導が落ちるCahartの陥凹。治すには、固まったアブミ骨に穴を開けて人工の骨を突っ込め(アブミ骨手術)!」
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抗リン脂質抗体症候群(APS)は、自己抗体である抗リン脂質抗体が陽性となり、動静脈の血栓症や習慣流産(不育症)を引き起こす自己免疫疾患である。体内で血栓ができやすいにもかかわらず、検査(in vitro)ではAPTTが延長するのが特徴的な引っかけである。
脊柱管狭窄症は、加齢に伴う骨や靱帯の変形により脊柱管が狭くなり、中の馬尾神経や神経根が慢性的に圧迫される疾患である。高齢者に多く、歩行により下肢痛・しびれが出現し、休むと改善する「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」が特徴的である。
椎間板ヘルニアは、椎体間のクッションである椎間板の髄核が線維輪を突き破って脱出し、脊髄や神経根を圧迫する疾患である。若年〜壮年の男性に多く、腰痛とともに片側の激しい下肢放散痛(坐骨神経痛)やしびれをきたす。
全身性エリテマトーデス(SLE)は、多彩な自己抗体(特に抗dsDNA抗体)が産生され、全身の皮膚、関節、腎臓、中枢神経などに炎症をきたす多臓器疾患である。20〜40代の女性に好発し、Ⅲ型アレルギーによる免疫複合体の沈着(ループス腎炎など)が病態の核心となる。