甲状腺機能亢進症(バセドウ病)は、自己抗体によって甲状腺が過剰に刺激され、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される自己免疫疾患である。動悸、体重減少、手の震え、多汗などを特徴とし、放置すると甲状腺クリーゼという致死的な状態を招く恐れがある。CBTや医師国家試験の内分泌分野において毎年問われる超頻出の重要疾患である。
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動悸・頻脈(心房細動を合併することもある)
体重減少(食欲は亢進しているのに痩せる)
手指振戦(手の細かい震え)
発汗過多・暑がり
びまん性甲状腺腫大
眼球突出(眼裂開大などの眼症状)
初期評価
問診で体重減少や動悸などの自覚症状を確認し、視診・触診でびまん性甲状腺腫大、眼球突出、手指振戦、頻脈(脈圧の増大)を評価する。
検査
血液検査で甲状腺ホルモン(FT3、FT4)の上昇、TSHの低下を確認する。バセドウ病の確定診断にはTSHレセプター抗体(TRAbまたはTSAb)の陽性を確認する。超音波検査で甲状腺内の血流増加を認める。
鑑別
無痛性甲状腺炎(自己免疫による甲状腺の破壊、TRAb陰性、エコーで血流低下)、亜急性甲状腺炎(ウイルス感染後、甲状腺の痛み・発熱あり、CRP・血沈上昇)と鑑別する。
初期対応
頻脈や動悸が著明な場合は、対症療法としてβ遮断薬を投与する。高熱や意識障害を伴い甲状腺クリーゼを疑う場合は、直ちに抗甲状腺薬、無機ヨウ素剤、ステロイドの投与など全身管理を行う。
根本治療
抗甲状腺薬(チアマゾールやプロピルチオウラシル)の内服が第一選択となる。開始後2〜3ヶ月は重大な副作用である「無顆粒球症(突然の高熱、咽頭痛)」に注意する(国試で頻出)。内服治療でコントロール困難な場合や副作用がある場合は、放射性ヨウ素内用療法(アイソトープ治療)や手術(甲状腺全摘・亜全摘術)を行う。
病態
TSHレセプター抗体(TRAb)という自己抗体が産生され、これが甲状腺のTSH受容体を持続的に刺激することで、甲状腺ホルモン(T3、T4)が過剰に分泌される状態である。
原因
自己免疫異常が原因であり、20〜30代の女性に好発する。ストレスや喫煙、妊娠・出産などが発症や悪化の契機となることがある。
分類
甲状腺ホルモン過剰による中毒症状をきたす代表的疾患がバセドウ病(Graves病)である。他にホルモンが漏出する破壊性甲状腺中毒症(無痛性甲状腺炎など)がある。
試験での重要ポイント
「若年女性の動悸、食欲亢進を伴う体重減少、眼球突出」があればこの疾患を疑う。検査所見として「TSH低下、遊離T3・T4上昇、TRAb陽性」は頻出。重症化して高熱や意識障害を伴う「甲状腺クリーゼ」は致死的であり救急対応が問われる。鑑別でよく出るのは「無痛性甲状腺炎(TRAb陰性、放射性ヨウ素摂取率低下)」や「亜急性甲状腺炎(甲状腺の疼痛あり、CRP上昇)」である。
覚え方・コツ
「バセドウのメルゼブルクの三徴(眼球突出、甲状腺腫大、頻脈)」と「ホルモン高くてTSH低い(ネガティブフィードバック)」で覚える。
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