膿胸は、胸腔内(肺と胸壁の間)に細菌が感染し、膿(白血球や死滅した組織などを含む滲出液)が貯留した状態である。肺炎に続発することが多く、速やかな胸腔ドレナージと抗菌薬投与が必要となる。
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発熱(高熱、弛張熱)、悪寒・戦慄。
胸膜炎様胸痛(深呼吸や咳嗽で増悪する胸の痛み)。
呼吸困難(大量の胸水貯留による肺の圧迫)。
全身倦怠感、体重減少。
画像診断:胸部X線で胸水貯留。胸部造影CTが極めて有用で、肥厚した臓側・壁側胸膜が造影される『Split pleura sign』や、胸水の隔壁形成の有無を評価する。
胸腔穿刺(確定診断):膿性の外観。胸水生化学検査(pH低下、糖低下、LDH著増)。
細菌学的検査:胸水のグラム染色と培養(嫌気性菌が含まれることも多いため嫌気培養も必須)。
初期治療:
①『胸腔ドレナージ』:原則として直ちに胸腔チューブを挿入し、膿を体外へ持続的に排出・洗浄する。
②『抗菌薬の全身投与』:起炎菌(肺炎球菌、嫌気性菌など)をカバーするペニシリン系+βラクタマーゼ阻害薬などを使用。
外科的治療:隔壁が形成されドレナージが困難な場合や、慢性化して肺の膨張不全をきたした場合は、『胸腔鏡下掻爬術(膿や隔壁を掻き出す)』や『胸膜剥皮術(硬くなった胸膜を剥がして肺を膨らませる)』などの手術が必要となる。
病態
多くは細菌性肺炎に合併する胸水(肺炎随伴性胸水)に細菌が直接侵入し、感染・化膿することで生じる。その他、結核、胸部外傷、食道穿孔、胸部手術後などが原因となる。
試験・臨床での重要ポイント
胸腔穿刺による『胸水検査』の所見が超頻出。外観がドロドロの「膿性」であることに加え、『胸水pHの低下(< 7.2)』、『胸水糖の低下(< 40mg/dL)』、『LDHの著増(> 1000U/L)』、および好中球の著増が特徴である。当然、Lightの基準を満たす滲出性胸水である。
治療が遅れると、フィブリンが析出して胸腔内がいくつもの小部屋に分かれる『隔壁形成』を起こし、ドレーンで抜けなくなる。さらに進行すると胸膜が分厚く硬くなり、肺が膨らめなくなる(慢性膿胸)。
覚え方・コツ
「膿胸は『胸の中に溜まったドロドロの膿』!肺炎をこじらせて起きる。水を抜いて調べると、細菌が暴れているから『pHが酸性(<7.2)』になり、細菌が糖を食べるから『糖がスッカラカン(<40)』になるのがテストのサイン!抗生物質だけじゃ治らないから、必ず『太い管(ドレーン)を入れて膿を外に出す』のが鉄則。部屋が分かれて(隔壁)抜けなくなったら手術で掻き出せ!」
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I型呼吸不全は、動脈血酸素分圧(PaO2)が60Torr以下に低下しているが、二酸化炭素分圧(PaCO2)は正常または低下(45Torr以下)している状態。主に肺の実質や間質の障害による「酸素化障害」が原因である。
II型呼吸不全は、PaO2が60Torr以下に低下し、かつPaCO2が45Torrを超えて蓄積している状態。気道の閉塞や呼吸筋の低下による「肺胞換気量の低下(息が十分に吐き出せない、吸い込めない)」が主な原因である。
嚢胞性線維症(CF)は、CFTR遺伝子の異常により全身の外分泌腺の分泌液が異常に粘稠となる常染色体潜性(劣性)遺伝疾患である。白人に多く日本人には極めて稀。気道感染の反復による呼吸不全と、膵外分泌不全による消化・吸収不良が二大症状となる。
CO2ナルコーシスは、慢性的に高CO2血症がある患者(主に重症COPD)に対し、不適切に高濃度の酸素を投与した結果、呼吸中枢が抑制されてさらにCO2が蓄積し、重篤な意識障害や呼吸停止に陥る医原性の病態である。