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有毛細胞白血病は、細胞質に毛髪様(hairy)の突起を持つ成熟B細胞系の低悪性度白血病である。中高年男性に多く、著明な脾腫と汎血球減少(特に単球減少)をきたす。「TRAP染色陽性」と「骨髄のドライタップ」が国試の定番キーワードである。
腹部症状:巨大脾腫による左季肋部痛、腹部膨満感。(※リンパ節腫脹は稀)
血球減少による症状:易感染性(特に単球減少が著明なため、非定型抗酸菌などに注意)、貧血症状(息切れ、動悸)、出血傾向。
全身症状:全身倦怠感、体重減少。
血液検査:末梢血塗抹標本でHairy cell(有毛細胞)を確認。汎血球減少、単球の著減。特殊染色で『TRAP染色陽性』。
骨髄検査:骨髄穿刺は『ドライタップ』となるため、骨髄生検を行い線維化とHairy cellの浸潤を証明する。
フローサイトメトリー:B細胞マーカー(CD19, CD20)に加え、CD11c, CD25, CD103が陽性となる。
治療方針
進行が緩徐であり、無症状の場合は経過観察も可能。血球減少や脾腫による症状が出現した場合は治療を開始する。
第一選択は『プリンアナログ(クラドリビンまたはペントスタチンの持続静注)』であり、高率に長期寛解(著効)が得られる。脾腫が著しい場合には脾臓摘出術(脾摘)も有効。再発・難治例にはBRAF阻害薬(ベムラフェニブ等)などが検討される。
病態
Bリンパ球が異常増殖するが、リンパ節の腫脹は乏しく、主に脾臓と骨髄で増殖する。腫瘍細胞から分泌されるサイトカイン(FGFなど)により骨髄の細網線維が増生(線維化)し、正常な造血が阻害される。約100%でBRAF V600E遺伝子変異を認める。
試験・臨床での重要ポイント
画像問題で『細胞の辺縁が毛羽立った(毛髪様突起を持つ)異常リンパ球』が出たら一発診断。特殊染色として『TRAP(酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ)染色強陽性』が絶対暗記。
骨髄が線維化しているため、骨髄穿刺を行っても骨髄液が引けない『ドライタップ(dry tap)』となるのが特徴。治療薬としてプリンアナログ(クラドリビンなど)が著効する。
覚え方・コツ
「有毛細胞白血病は『毛の生えたB細胞』が脾臓に溜まる病気!骨髄に毛が絡まって(線維化)、注射器で骨髄液が引けない(ドライタップ)。染色は『TRAP(トラップ:罠に毛が絡まる)』陽性!特効薬は『クラドリビン』!」
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クリオグロブリン血症は、体温より低い温度(寒冷曝露)で沈殿し、37℃に温めると再溶解する異常な免疫グロブリン(クリオグロブリン)が血中に存在する病態。C型肝炎(HCV)感染に高率に合併し、紫斑や関節痛、腎障害を引き起こす。
AIHAは、自己の赤血球に対する抗体(自己抗体)が産生され、赤血球が破壊(溶血)されることで進行性の貧血や黄疸をきたす疾患である。「温式(IgG)」と「冷式(IgM)」に大別され、直接クームス試験陽性が確定診断の要となる。
ALPSは、リンパ球のアポトーシス(細胞死)障害により、慢性的な非悪性リンパ増殖(リンパ節腫脹、肝脾腫)と自己免疫疾患(主に血球減少症)をきたす稀な遺伝性免疫疾患である。ダブルネガティブT細胞(DNT)の増加が特徴的。
急性前骨髄球性白血病(APL)は、骨髄芽球から前骨髄球への分化段階で成熟が停止する急性骨髄性白血病(FAB分類M3)である。重篤なDIC(播種性血管内凝固症候群)を合併しやすく致死的になり得るが、ATRA(分化誘導療法)が劇的に著効する特異な白血病である。