医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
子宮筋腫は、子宮筋層の平滑筋から発生する良性腫瘍であり、女性骨盤内腫瘍で最も頻度が高い。エストロゲン依存性で増大し、粘膜下・筋層内・漿膜下に分類される。CBTや医師国家試験では、過多月経と鉄欠乏性貧血(特に粘膜下)、MRIでのT2低信号、およびGnRHアゴニストを用いた偽閉経療法が頻出の重要疾患である。
過多月経、過長月経(これに伴う重度の鉄欠乏性貧血)
月経困難症(月経痛)
腫瘤の圧迫による症状:頻尿(前方の膀胱圧迫)、便秘(後方の直腸圧迫)
不妊症、不育症(流産・早産の原因。特に粘膜下筋腫)
急性腹症(漿膜下筋腫の茎捻転や、妊娠中の筋腫の赤色変性による激痛)
初期評価
月経異常、貧血症状、あるいは内診による子宮の不規則な腫大・結節の触知から疑う。血液検査で小球性低色素性貧血を確認する。
検査
経腟超音波検査で、子宮筋層内の境界明瞭な腫瘤像(渦巻き状の内部エコー)を確認する。骨盤MRI検査が極めて有用であり、『T1強調画像で等〜低信号、T2強調画像で境界明瞭な著明な低信号』を確認する。
鑑別
子宮腺筋症(過多月経・月経困難症を伴うが、MRIで境界不明瞭な低信号)、子宮内膜ポリープ、子宮肉腫(急速に増大する悪性腫瘍、MRIで内部不均一な高信号)。
保存的治療
無症状であれば経過観察(定期的なエコー)。貧血に対して鉄剤投与や、低用量ピル(LEP)による対症療法。腫瘍を縮小させたり手術前の出血を抑えたりする目的で、『GnRHアゴニスト(リュープロレリン等)』や『GnRHアンタゴニスト(レルゴリクス等)』を用いた偽閉経療法を最大6ヶ月間行う(骨量減少の副作用に注意)。
手術療法
挙児希望がある場合は筋腫のみをくり抜く「子宮筋腫核出術」、挙児希望がなく症状が強い場合は「子宮全摘出術」を行う(腹腔鏡下、子宮鏡下、開腹などが腫瘍のサイズ・位置により選択される)。UAE(子宮動脈塞栓術)が行われることもある。
病態
子宮平滑筋由来の良性腫瘍(エストロゲン依存性)であるため、生殖年齢(30〜40歳代)で増大し、閉経後は自然に縮小する。
発生部位による分類
【粘膜下筋腫】:子宮内膜の直下に発育。最も小さくても症状(過多月経、不妊)が出やすい。
【筋層内筋腫】:子宮筋層内で発育。最も頻度が高い(約70%)。
【漿膜下筋腫】:子宮の外側に向かって発育。無症状で巨大化しやすく、茎捻転を起こすと急性腹症となる。
試験での重要ポイント
「過多月経(レバー状の血塊が混じる月経)」と「めまい・立ちくらみ(鉄欠乏性貧血)」のエピソードが定番。発生部位と症状の結びつきがよく問われる(粘膜下は過多月経・不妊、漿膜下は捻転や圧迫症状)。画像問題として、骨盤MRIの『T2強調画像で境界明瞭な低信号(黒色)』を呈することが、子宮腺筋症(境界不明瞭)との鑑別で超頻出である。治療薬としての『GnRHアゴニスト/アンタゴニスト(偽閉経療法)』も必ず問われる。
覚え方・コツ
「子宮筋腫はエストロゲンがエサ。内側(粘膜下)は小さくても大出血(貧血・不妊)、外側(漿膜下)はデカくなって捻れる!MRIのT2では真っ黒(低信号)で境界くっきり。治療は手術か、薬で閉経状態(GnRHアゴニスト)にして兵糧攻め!」
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