最終更新日: 2026年4月17日
アスクレピアで深掘りする結節性多発動脈炎(PAN)は、中型動脈の壁にフィブリノイド壊死を伴う強い炎症が生じ、全身の臓器障害をきたす血管炎である。腎梗塞や末梢神経障害(多発単神経炎)を特徴とし、CBTや医師国家試験では顕微鏡的多発血管炎(MPA)との鑑別や、肺病変を伴わない点が頻出の重要疾患である。
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結節性多発動脈炎(PAN)は、中型動脈の壁にフィブリノイド壊死を伴う強い炎症が生じ、全身の臓器障害をきたす血管炎である。腎梗塞や末梢神経障害(多発単神経炎)を特徴とし、CBTや医師国家試験では顕微鏡的多発血管炎(MPA)との鑑別や、肺病変を伴わない点が頻出の重要疾患である。
発熱、体重減少、全身倦怠感
多発単神経炎(非対称性の運動・感覚障害、下垂手・下垂足)
腎障害(腎梗塞による高血圧、血尿、側腹部痛。※糸球体腎炎ではない)
消化器症状(腸管虚血による激しい腹痛、下血)
皮膚症状(網状皮斑、紫斑、皮下結節)
初期評価
原因不明の発熱や体重減少に、多発単神経炎(非対称性のしびれ・麻痺)や腹痛を伴う症例で本疾患を疑う。
検査
血液検査で強い炎症反応(CRP高値、赤沈亢進)を認めるが、ANCA(MPO/PR3)は陰性である。HBV抗原・抗体を確認する。腹部血管造影を実施し、腎動脈や腸間膜動脈の分岐部に「多発する微小動脈瘤」や「狭窄・閉塞」を確認する。生検(皮膚、筋肉、神経など)で動脈壁のフィブリノイド壊死を確認できれば確定診断となる。
鑑別
鑑別でよく出るのは「顕微鏡的多発血管炎(MPA)」である。MPAは小型血管炎であり、MPO-ANCA陽性、急速進行性糸球体腎炎(RPGN)、間質性肺炎や肺胞出血を伴う点で明確に区別できる。その他、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA:気喘・好酸球増多を伴う)と鑑別する。
初期対応
腎梗塞や腸管穿孔などの致死的な臓器虚血の有無を迅速に評価し、重症度を判定する。
根本治療
第一選択は「副腎皮質ステロイド(プレドニゾロン)の高用量投与」である。重症例やステロイド抵抗例には、免疫抑制薬(シクロホスファミドなど)を併用する。HBV関連PANの場合は、ステロイドに加えて抗ウイルス療法(エンテカビルなど)や血漿交換を組み合わせた治療が検討される。
病態
中型動脈(腎動脈、腸間膜動脈など)の壁全層にフィブリノイド壊死を伴う血管炎が生じ、微小動脈瘤の形成や血栓、梗塞を引き起こす。
原因
大部分は原因不明であるが、一部の症例においてB型肝炎ウイルス(HBV)の持続感染との関連が指摘されている。
分類
血管のサイズによる分類(CHCC分類)において「中型血管炎」に分類される。ANCA関連血管炎ではないため、ANCAは原則として陰性である。
試験での重要ポイント
発熱や体重減少に加えて、「多発単神経炎(非対称性のしびれや下垂足)」「腎梗塞(高血圧の悪化)」「腸管虚血(食後の激しい腹痛や下血)」があればこの疾患を疑う。鑑別で最もよく出るのは「顕微鏡的多発血管炎(MPA)」である。PANは中型動脈が主座であるため『肺病変(肺胞出血など)や糸球体腎炎を伴わない(微小血管は障害されない)』点が決定的な違いとなる。また、腹部血管造影での『多発する微小動脈瘤(数珠状変化)』も超頻出キーワードである。
覚え方・コツ
「PAN(パン)は、肺と糸球体には手を出さない中型血管炎。ANCAは陰性。手足のビリビリ(多発単神経炎)とお腹の激痛に注意し、エコーや造影で数珠状の動脈瘤を探せ!」
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心タンポナーデは、心膜腔内に液体(血液や滲出液)が急速に貯留し、心臓が圧迫されることで拡張不全に陥り、致死的な心原性ショックを来す緊急疾患である。CBTや医師国家試験では、原因疾患(急性大動脈解離など)、Beckの三徴、奇脈、心エコー所見、そして緊急の心囊穿刺が毎年必ず問われる超頻出疾患である。
深部静脈血栓症(DVT)は、主に下肢や骨盤内の深部静脈に血栓が形成される疾患である。血栓が遊離して肺に飛ぶと、致死的な肺血栓塞栓症(PTE)を引き起こす(両者を合わせて静脈血栓塞栓症:VTEと呼ぶ)。CBTや医師国家試験では、血栓形成の3大要因である「Virchow(ウィルヒョウ)の3徴」、片側性の下肢浮腫、およびエコー所見が毎年問われる超頻出疾患である。
高安動脈炎は、大動脈やその主要分枝に慢性的な肉芽腫性炎症が生じ、血管の狭窄や閉塞をきたす大型血管炎である。若年女性に好発し、脈なし病とも呼ばれる。CBTや医師国家試験では、上肢の血圧左右差や頸部血管雑音、HLA-B52陽性が頻出の重要疾患である。
巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)は、高齢者の大型・中型動脈(特に浅側頭動脈)に肉芽腫性炎症が生じる血管炎である。側頭部の拍動性頭痛や咀嚼時の顎の痛みを特徴とし、失明を防ぐための迅速なステロイド治療がCBTや医師国家試験で極めて頻出の重要疾患である。