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結節性多発動脈炎(PAN)は、中型動脈の壁にフィブリノイド壊死を伴う強い炎症が生じ、全身の臓器障害をきたす血管炎である。腎梗塞や末梢神経障害(多発単神経炎)を特徴とし、CBTや医師国家試験では顕微鏡的多発血管炎(MPA)との鑑別や、肺病変を伴わない点が頻出の重要疾患である。
発熱、体重減少、全身倦怠感
多発単神経炎(非対称性の運動・感覚障害、下垂手・下垂足)
腎障害(腎梗塞による高血圧、血尿、側腹部痛。※糸球体腎炎ではない)
消化器症状(腸管虚血による激しい腹痛、下血)
皮膚症状(網状皮斑、紫斑、皮下結節)
初期評価
原因不明の発熱や体重減少に、多発単神経炎(非対称性のしびれ・麻痺)や腹痛を伴う症例で本疾患を疑う。
検査
血液検査で強い炎症反応(CRP高値、赤沈亢進)を認めるが、ANCA(MPO/PR3)は陰性である。HBV抗原・抗体を確認する。腹部血管造影を実施し、腎動脈や腸間膜動脈の分岐部に「多発する微小動脈瘤」や「狭窄・閉塞」を確認する。生検(皮膚、筋肉、神経など)で動脈壁のフィブリノイド壊死を確認できれば確定診断となる。
鑑別
鑑別でよく出るのは「顕微鏡的多発血管炎(MPA)」である。MPAは小型血管炎であり、MPO-ANCA陽性、急速進行性糸球体腎炎(RPGN)、間質性肺炎や肺胞出血を伴う点で明確に区別できる。その他、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA:気喘・好酸球増多を伴う)と鑑別する。
初期対応
腎梗塞や腸管穿孔などの致死的な臓器虚血の有無を迅速に評価し、重症度を判定する。
根本治療
第一選択は「副腎皮質ステロイド(プレドニゾロン)の高用量投与」である。重症例やステロイド抵抗例には、免疫抑制薬(シクロホスファミドなど)を併用する。HBV関連PANの場合は、ステロイドに加えて抗ウイルス療法(エンテカビルなど)や血漿交換を組み合わせた治療が検討される。
病態
中型動脈(腎動脈、腸間膜動脈など)の壁全層にフィブリノイド壊死を伴う血管炎が生じ、微小動脈瘤の形成や血栓、梗塞を引き起こす。
原因
大部分は原因不明であるが、一部の症例においてB型肝炎ウイルス(HBV)の持続感染との関連が指摘されている。
分類
血管のサイズによる分類(CHCC分類)において「中型血管炎」に分類される。ANCA関連血管炎ではないため、ANCAは原則として陰性である。
試験での重要ポイント
発熱や体重減少に加えて、「多発単神経炎(非対称性のしびれや下垂足)」「腎梗塞(高血圧の悪化)」「腸管虚血(食後の激しい腹痛や下血)」があればこの疾患を疑う。鑑別で最もよく出るのは「顕微鏡的多発血管炎(MPA)」である。PANは中型動脈が主座であるため『肺病変(肺胞出血など)や糸球体腎炎を伴わない(微小血管は障害されない)』点が決定的な違いとなる。また、腹部血管造影での『多発する微小動脈瘤(数珠状変化)』も超頻出キーワードである。
覚え方・コツ
「PAN(パン)は、肺と糸球体には手を出さない中型血管炎。ANCAは陰性。手足のビリビリ(多発単神経炎)とお腹の激痛に注意し、エコーや造影で数珠状の動脈瘤を探せ!」
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Dressler(ドレスラー)症候群は、急性心筋梗塞の発症から「数週間〜数ヶ月後」に、発熱や胸膜炎様胸痛を伴って発症する自己免疫性の「心膜炎(および胸膜炎)」である。
産褥心筋症は、それまで心疾患の既往がない女性が、妊娠末期から産後(産褥期)数ヶ月の間に突然発症する特発性の心不全。拡張型心筋症(DCM)と同様に左室の拡張と収縮能低下をきたす。母体の生命を脅かす重篤な疾患である。
拘束型心筋症は、心室壁が著しく硬くなり(コンプライアンス低下)、拡張不全(血液が心室に入りにくい)をきたす特発性心筋症。収縮能と壁厚は正常に近いが、著明な心房拡大と右心不全症状を特徴とする。予後は極めて不良である。
急性心筋炎は、主にウイルス感染などを契機として心筋に急性の炎症が生じる疾患。軽症例から、数時間〜数日で致死的な心不全やショックに至る「劇症型心筋炎」まで重症度は様々。若年者の突然の心原性ショックの原因として重要である。