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ヘモクロマトーシスは、鉄の過剰な吸収・蓄積により、肝臓、膵臓、心臓、皮膚などの実質臓器が障害される疾患。原発性(遺伝性)と、頻回な輸血などによる続発性(二次性鉄過剰症)がある。皮膚色素沈着、肝硬変、糖尿病が古典的三徴である。
肝障害:全身倦怠感、肝腫大、肝硬変症状(腹水など)、肝細胞癌。
内分泌障害:糖尿病(膵島β細胞の破壊)、性機能低下、色素沈着(青銅色、灰褐色)。
循環器障害:心不全(拡張型心筋症様)、不整脈。
関節痛(ピロリン酸カルシウム結晶の沈着による偽痛風など)。
血液検査:血清鉄上昇、TIBC低下、トランスフェリン飽和度(TSAT)上昇(> 50%)、『血清フェリチン著増』。空腹時血糖高値、AST/ALT上昇。
画像診断:腹部MRI(T2*強調画像やT2強調画像で肝臓が異常な低信号:黒く抜ける)。
肝生検:ベルリンブルー(Berlin blue)染色で、肝細胞内に青く染まる鉄顆粒(ヘモジデリン)を多数認める。
瀉血(しゃけつ)療法(原発性の第一選択):定期的に血液(1回400〜500mL)を抜き取り、赤血球として鉄を強制的に体外へ排出させる。
鉄キレート療法(続発性の第一選択):デフェロキサミンやデフェラシロクスを用いて、体内の鉄を結合させ尿中・糞便中へ排泄させる(輸血依存性の患者などで瀉血ができない場合に使用)。
食事療法:鉄分やビタミンC(鉄吸収を促進する)の摂取制限。
病態
ヒトには鉄を積極的に排泄するメカニズムがないため、吸収が過剰(遺伝子変異)であったり、輸血等で外部から過剰に鉄が入ったりすると、臓器に鉄(フェリチン、ヘモジデリン)が沈着して酸化ストレスを引き起こし、組織を破壊・線維化させる。
試験・臨床での重要ポイント
『青銅色糖尿病(bronze diabetes)』という古典的キーワードが国試で有名。
臓器沈着による三大症状:①皮膚(青銅色の色素沈着)、②肝臓(肝硬変→肝細胞癌へ進行)、③膵臓(インスリン分泌低下による糖尿病)。これに心不全や不整脈(心筋への鉄沈着)が加わる。
血液検査では、鉄欠乏性貧血と「真逆」の動きをする。『血清鉄上昇』、『血清フェリチン著増(数千単位)』、『TIBC低下』となる。
覚え方・コツ
「ヘモクロマトーシスは『鉄が体に貯まりすぎてサビつく病気』!肝臓がサビて肝硬変になり、膵臓がサビて糖尿病になり、皮膚がサビて青銅色(ブロンズ色)になるのが三徴だ。フェリチン(貯蔵鉄)が異常に高い!治療はシンプルで、血を抜いて鉄を捨てる(瀉血)か、鉄とくっついてウンチや尿から捨てる薬(鉄キレート剤)を使う!」
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多発性骨髄腫は、骨髄中の形質細胞(抗体を産生する細胞)が腫瘍化し、単クローン性の異常な免疫グロブリン(M蛋白)を過剰産生する疾患。骨破壊による高カルシウム血症や病的骨折、および腎障害を特徴とする血液がんである。
成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL)は、ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)の感染によって生じる極めて予後不良な末梢性T細胞腫瘍。日本(特に九州・沖縄地方)に多く、母乳を介した垂直感染から数十年の潜伏期間を経て発症する。
原発性ALアミロイドーシスは、異常な形質細胞が産生したモノクローナルな免疫グロブリンの「軽鎖(L鎖)」が、アミロイド線維として全身の臓器に沈着し、重篤な機能障害を引き起こす致死的な疾患。多発性骨髄腫(MM)に合併することもある。
巨赤芽球性貧血は、ビタミンB12または葉酸の欠乏によりDNA合成が障害され、赤芽球の細胞分裂が遅延することで生じる大球性貧血。赤血球が巨大化するだけでなく、白血球や血小板も減少する汎血球減少をきたすことがある。