ミクリッツ病は、両側の涙腺、唾液腺(耳下腺・顎下腺)が左右対称性に無痛性に腫大する疾患である。かつてはシェーグレン症候群の一亜型と考えられていたが、現在は「IgG4関連疾患」の代表的な臨床像として確立されている。
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涙腺腫脹:上眼瞼外側の無痛性腫脹。重症例では眼球突出や複視。
唾液腺腫脹:顎下腺、耳下腺、舌下腺の左右対称な腫脹。首のラインが太く見えることがある。
乾燥症状:口渇、眼乾燥感(シェーグレン症候群に比べると軽度であることが多い)。
随伴症状:他のIgG4関連疾患(自己免疫性膵炎、後腹膜線維症など)の合併。
血液検査:『血清IgG4値の上昇(>135mg/dL)』。高γ-グロブリン血症、低補体血症を伴うことがある。※抗SS-A/SS-B抗体は原則として「陰性」であり、これがシェーグレン症候群との重要な鑑別点となる。
画像診断:CT、MRI、ガリウムシンチグラフィにて、両側の涙腺、耳下腺、顎下腺への集積・腫大を確認する。
病理組織(唇腺生検など):IgG4陽性形質細胞の著明な浸潤(IgG4/IgG比>40%)を認める。
第一選択:『副腎皮質ステロイド(プレドニゾロン)』。導入直後から腺腫脹は劇的に縮小する。
維持療法:ステロイドを急に中止すると再発しやすいため、長期間の少量維持療法が必要となる。難治例には免疫抑制薬を併用することもある。
病態
血清IgG4の高値を伴い、IgG4陽性の形質細胞が涙腺や唾液腺に浸潤し、組織が線維化することで腫大する。シェーグレン症候群(SjS)と似ているが、ミクリッツ病は「唾液分泌低下や乾燥症状(ドライマウス・ドライアイ)が比較的軽度」である点が特徴的。
試験・臨床での重要ポイント
「両側の目の上が腫れる(涙腺腫脹)」+「両側のアゴの下や耳の前が腫れる(唾液腺腫脹)」という、顔のあちこちが左右対称に膨らんでいる高齢男性(女性もいるがSjSより男性比が高い)のエピソードが定番。痛みがないのがポイント。血液検査では『血清IgG4上昇(135mg/dL以上)』を確認する。
覚え方・コツ
「ミクリッツ病は『IgG4関連疾患の顔バージョン』!涙腺と唾液腺が全部ペアで腫れる。シェーグレン症候群(SjS)との違いが超頻出で、①SjSは『女』に多いがミクリッツは『男』も多い、②SjSは『カサカサ(乾燥)』がひどいがミクリッツは『腫れ』がメインで乾燥は軽い、③ミクリッツは『ステロイドが劇的に効く』のが最大の違い!」
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