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脂漏性皮膚炎は、皮脂分泌の多い部位(頭皮、顔面など)に生じる湿疹で、常在真菌であるマラセチアの関与が特徴である。黄色みを帯びた油っぽい鱗屑と紅斑をきたす。CBTや医師国家試験では、好発部位(鼻翼基部、頭部)や、原因となるマラセチア、治療として抗真菌薬外用が著効する点が頻出の重要疾患である。
紅斑(境界が比較的明瞭な赤み)
黄色みを帯びた油っぽい鱗屑(フケのようなカサブタ)
粃糠疹(頭部の細かいフケ)
軽度〜中等度のそう痒感(かゆみはないこともある)
好発部位:頭部、髪の生え際、眉間、鼻翼基部(小鼻の脇)、耳介後部、前胸部、腋窩など(脂漏部位)
初期評価
皮脂の多い部位(脂漏部位)に一致した、黄色い鱗屑を伴う紅斑の分布から臨床的に診断する。パーキンソン病やHIVのリスク因子がないかも念頭に置く。
検査
多くは臨床症状のみで診断されるが、確定診断や白癬(水虫などの他の真菌症)との鑑別のために鱗屑の「KOH(水酸化カリウム)直接鏡検」を行い、マラセチアの胞子や短い菌糸を確認することがある。
鑑別
鑑別でよく出るのは「尋常性乾癬(境界明瞭な厚い銀白色鱗屑、Auspitz現象陽性、好発部位が膝や肘などの摩擦部)」や「アトピー性皮膚炎(強いそう痒、乾燥肌、左右対称性、年齢による好発部位の移行)」、「接触性皮膚炎(原因物質との接触部位に一致した紅斑)」である。
初期対応
毎日の丁寧な洗顔や洗髪により、過剰な皮脂や汚れ、増殖した菌を優しく落として清潔を保つスキンケアの指導が極めて重要である(抗真菌薬配合シャンプーの活用も有効)。
根本治療
原因であるマラセチアの増殖を抑えるため、「抗真菌薬(ケトコナゾールなど)の外用」を第一選択とする。炎症やそう痒が強い急性期には、短期間「弱〜中等度の副腎皮質ステロイド外用薬」を併用して速やかに炎症を鎮める。また、皮脂代謝を改善するためにビタミンB2やB6の内服を行うこともある。
病態
皮脂の過剰分泌に加え、皮脂を好む常在真菌(マラセチア属)が皮脂をトリグリセリドから遊離脂肪酸に分解し、これが皮膚を刺激して炎症(湿疹反応)を引き起こす病態である。
原因
マラセチア(癜風菌)の増殖、皮脂分泌の亢進、ビタミンB群の不足、ストレスや睡眠不足などが複合的に関与する。生後数ヶ月の乳児期(母体からの移行ホルモンの影響)と、思春期以降〜成人に好発のピークがある。
分類
発症時期により「乳児脂漏性皮膚炎(多くは自然軽快する)」と「成人型脂漏性皮膚炎(慢性・再発性)」に大別される。
試験での重要ポイント
「頭皮のフケ」や「鼻の脇(鼻翼基部)、耳の後ろ、眉間が赤くなり、黄色いカサブタ(鱗屑)を伴う」という所見があれば本疾患を強く疑う。原因菌が『マラセチア(真菌)』である点と、湿疹でありながら治療の第一選択にステロイドだけでなく『抗真菌薬(ケトコナゾール外用など)』が用いられる点が超頻出である。また、パーキンソン病やHIV感染症(AIDS)の患者に高頻度かつ重症で合併しやすいことも国試的知識として重要である。
覚え方・コツ
「脂漏性は、脂(皮脂)が好きなマラセチアの仕業。フケと鼻の脇の黄色いカサブタ。湿疹だけどカビ退治(抗真菌薬)がよく効く!」
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晩発性皮膚ポルフィリン症は、ヘム生合成経路の酵素異常により、光過敏性物質であるポルフィリンが体内に蓄積する代謝疾患。C型肝炎や多量飲酒を背景に中高年で発症し、日光露光部(手背や顔面)の水疱・びらんや、尿の赤色化を特徴とする。
アトピー性皮膚炎は、増悪と軽快を繰り返す瘙痒(かゆみ)のある湿疹を主病変とする疾患。皮膚のバリア機能異常と、アトピー素因(IgE抗体を産生しやすい体質やアレルギー疾患の家族歴)が背景にある。
帯状疱疹後神経痛は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)による帯状疱疹の皮疹が治癒した後も、3ヶ月以上にわたって持続する難治性の神経痛。高齢者に多く、焼けるような痛みや電撃痛を特徴とする。
ダリエー病は、ATP2A2遺伝子変異により、表皮細胞間の結合が弱まる(棘融解)とともに異常な角化(ジスケラトーシス)を生じる常染色体顕性(優性)遺伝疾患。脂漏部位(胸・背中・頭皮)に多発する悪臭を伴う角化性丘疹が特徴。