胸部大動脈瘤(TAA)は、胸部大動脈(上行、弓部、下行)が拡張した状態。無症状で経過することが多いが、巨大化すると周囲臓器を圧迫し、反回神経麻痺による「嗄声(させい)」などの症状をきたす。破裂の危険が高いサイズ(5.5〜6.0cm以上)で手術適応となる。
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多くは無症状(検診のX線で発見)。
圧迫症状:嗄声(反回神経麻痺)、嚥下困難、咳嗽、上大静脈症候群。
破裂・切迫破裂:激しい胸背部痛、ショック。
胸部X線:『縦隔の拡大』、異常な大動脈弓の突出。
胸部造影CT(最重要):瘤の解剖学的詳細、分枝との関係、解離の有無を確認。
心エコー・経食道エコー:上行大動脈の基部や大動脈弁逆流(AR)の評価。
内科的治療(小径):徹底的な『降圧療法』。ベータ遮断薬などが推奨される(特にMarfan症候群)。
外科的治療:手術適応基準に達した場合、『人工血管置換術』または『TEVAR(胸部ステントグラフト内挿術)』を行う。Marfan症候群では、大動脈基部置換術(Bentall手術など)が検討される。
病態
動脈硬化に加え、Marfan症候群などの遺伝性結締組織疾患が原因となることも多い。上行、弓部、下行の各部位に発生する。
試験・臨床での重要ポイント
周囲圧迫症状が重要。弓部大動脈瘤が左反回神経を圧迫すると『嗄声(声が枯れる)』が出るのが超頻出キーワード。その他、食道圧迫による嚥下困難、気管圧迫による喘鳴など。
手術適応:部位により異なるが、概ね『上行・弓部で5.5cm以上、下行で6.0cm以上』とされる。または急速な拡大を認める場合。治療は人工血管置換術や、ステロイドグラフト(TEVAR)が行われる。
覚え方・コツ
「胸の大動脈瘤は『声枯れ(嗄声)』に注目!胸の中で膨らんだ瘤が、声を司る神経(反回神経)を押し潰すのが試験の定番。腹部(5cm)より少し大きめの『5.5〜6cm』が手術の目安。破裂したら助からないから、大きくなる前に見つけて、血圧をしっかり下げて管理しろ!」
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心房中隔欠損症は、右心房と左心房を隔てる中隔に欠損孔(穴)が開いている先天性心疾患。圧の高い左房から右房へ血液が流れる「左右シャント」により右心負荷をきたす。小児期は無症状で、学校検診の心雑音や心電図異常(不完全右脚ブロック)で発見されることが多い。
心臓粘液腫は、心腔内に発生する良性腫瘍の中で最も頻度が高く、その約80%が左心房(特に心房中隔)に発生する。腫瘍による血流遮断(僧帽弁狭窄様症状)、塞栓症、およびIL-6産生による全身炎症症状を三徴とする。
収縮性心膜炎は、慢性的な炎症により心膜が肥厚・石灰化し、心臓の拡張が強く制限される疾患である。右心不全症状が主体となり、吸気時に頸静脈怒張が増強する「Kussmaul(クスマウル)徴候」が特徴的である。
三尖弁閉鎖不全症は、右心室の収縮期に血液が三尖弁を通じて右心房へと逆流する疾患。左心系の疾患や肺高血圧症に伴い、右室が拡大して三尖弁輪が引き伸ばされることで生じる「二次性」が大部分を占める。右心不全症状と頸静脈の巨大v波が特徴的。