蕁麻疹は、真皮上層の限局性浮腫により、強いそう痒を伴う境界明瞭な膨疹が突然出現する疾患である。個々の皮疹は数十分から数時間で跡を残さず消退するのが最大の特徴。CBTや国試では、肥満細胞からのヒスタミン遊離(Ⅰ型アレルギーなど)の機序と、抗ヒスタミン薬が第一選択となる点が頻出の疾患である。
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膨疹(ぼうしん:周囲に紅暈を伴う、境界明瞭で平坦な隆起。癒合して地図状になることもある)
強いそう痒感、チクチクとした痛み
血管性浮腫(クインケ浮腫:真皮深層〜皮下組織の浮腫。口唇や眼瞼がパンパンに腫れ、消退に数日かかる。かゆみは無いことが多い)
初期評価
皮疹が「膨疹」であることと、それが「24時間以内に跡を残さず消退するか(出没を繰り返すか)」を問診で確認し診断する。呼吸苦や嗄声(気道浮腫のサイン)がないか直ちに確認する。
検査
急性蕁麻疹で食物やラテックスなどのⅠ型アレルギーが強く疑われる場合は、血中特異的IgE抗体検査(RAST)やプリックテストを行う。慢性蕁麻疹(多くは原因不明)では、自己免疫疾患や感染症の除外のために一般的な血液・尿検査を行うこともあるが、過度な検査は推奨されない。
鑑別
皮疹が24時間以上持続し、色素沈着を残して消退する場合は「蕁麻疹様血管炎」を疑う。全身のそう痒と紅斑が持続する場合は「多形紅斑」や「薬疹」と鑑別する。
初期対応
気道浮腫やアナフィラキシーショック(呼吸困難、血圧低下)を伴う場合は、直ちに「アドレナリン筋注(0.3mg)」を行う。
根本治療
通常例に対する第一選択は、「第2世代抗ヒスタミン薬(H1受容体拮抗薬)の内服」である。効果不十分な場合は、用量の倍量投与、他剤への変更、H2ブロッカーやロイコトリエン受容体拮抗薬の追加を行う。難治性の特発性慢性蕁麻疹に対しては、抗IgE抗体(オマリズマブ)の皮下注射が劇的な効果を示す。※ステロイド外用薬は蕁麻疹には無効であるため使用しない。
病態
何らかの刺激により皮膚の「肥満細胞(マスト細胞)」が活性化し、「ヒスタミン」などの化学伝達物質が遊離される。これにより真皮の微小血管が拡張し、血管透過性が亢進して血漿成分が漏れ出し、浮腫(膨疹)と紅斑を形成する。
原因と分類
特定の抗原(食物、ラテックス、薬剤など)に対するIgE抗体が関与する「Ⅰ型(即時型)アレルギー性」のものと、物理的刺激(寒冷、温熱、日光、機械的擦過)、ストレス、感染症などの「非アレルギー性」のものがある。発症から1ヶ月以内のものを急性蕁麻疹、1ヶ月以上続くものを慢性蕁麻疹(特発性が最多)と呼ぶ。
試験での重要ポイント
「痒みを伴うミミズ腫れ(膨疹)」が「24時間以内(多くは数時間以内)に『跡を残さず完全に消える』」というエピソードが本疾患の決定的な特徴である(消えない場合は蕁麻疹様血管炎などを疑う)。機序として『肥満細胞』と『ヒスタミン』が超頻出。また、気道浮腫による呼吸困難や血圧低下を伴う「アナフィラキシー」への移行がないかを必ず確認する必要がある。治療の第一選択はステロイドではなく『第2世代抗ヒスタミン薬の内服』である。
覚え方・コツ
「蕁麻疹は、肥満細胞からヒスタミンが漏れてミミズ腫れ(膨疹)。最大の特徴は『数時間で跡形もなく消える』こと!薬はステロイドじゃなくて抗ヒスタミン薬!」
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副鼻腔炎は、鼻腔に隣接する副鼻腔(上顎洞、篩骨洞など)に炎症と膿の貯留が生じる疾患である。急性と慢性(蓄膿症)があり、CBTや国試では、膿性鼻漏、後鼻漏による咳嗽、CTでの副鼻腔陰影、およびマクロライド少量長期療法や指定難病である好酸球性副鼻腔炎が頻出である。
感染性心内膜炎(IE)は、心臓の弁や心内膜に細菌などが感染し、疣贅(ゆうぜい:菌や血栓の塊)を形成する致死的な感染症である。発熱、新たな心雑音、全身の塞栓症状・免疫反応を特徴とする。CBTや医師国家試験では、起炎菌の分類、特徴的な身体所見(オスラー結節など)、抜歯前の予防投与が毎年問われる超頻出疾患である。
過敏性肺炎は、カビや鳥の排泄物などの有機粉塵を繰り返し吸入することで、肺胞や間質にアレルギー反応が生じる間質性肺炎である。日本では夏に古い木造家屋で発症する「夏型過敏性肺炎」が最も多い。CBTや医師国家試験の呼吸器分野において、問診による抗原の特定と環境からの隔離が毎年問われる超頻出疾患である。
重症筋無力症(MG)は、神経筋接合部(NMJ)のニコチン性アセチルコリン受容体(AChR)などが自己抗体により攻撃され、情報の伝達が阻害されることで筋力低下や易疲労性を来す自己免疫疾患である。午後から夕方にかけて症状が悪化する「日内変動」が特徴。CBTや医師国家試験では、眼瞼下垂などの眼症状、胸腺異常(胸腺腫など)の合併、反復刺激試験でのWaning現象、およびクリーゼへの対応が毎年問われる超頻出疾患である。