最終更新日: 2026年4月16日
アスクレピアで深掘りする過敏性肺炎は、カビや鳥の排泄物などの有機粉塵を繰り返し吸入することで、肺胞や間質にアレルギー反応が生じる間質性肺炎である。日本では夏に古い木造家屋で発症する「夏型過敏性肺炎」が最も多い。CBTや医師国家試験の呼吸器分野において、問診による抗原の特定と環境からの隔離が毎年問われる超頻出疾患である。
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過敏性肺炎は、カビや鳥の排泄物などの有機粉塵を繰り返し吸入することで、肺胞や間質にアレルギー反応が生じる間質性肺炎である。日本では夏に古い木造家屋で発症する「夏型過敏性肺炎」が最も多い。CBTや医師国家試験の呼吸器分野において、問診による抗原の特定と環境からの隔離が毎年問われる超頻出疾患である。
発熱
乾性咳嗽(痰を伴わない空咳)
労作時呼吸困難(動いた時の息切れ)
全身倦怠感
※抗原に曝露されてから数時間(4〜6時間程度)で症状が出現・増悪し、抗原から離れると数日で自然軽快する変動性が特徴である。
初期評価
問診が極めて重要であり、居住環境(古い木造家屋、日当たり、水回りのカビ)、ペット(インコや鳩などの飼育歴、羽毛布団の使用)、職業、発症の季節性、場所による症状の変動(自宅で悪化するか)を詳細に聴取する。聴診で捻髪音(fine crackles)を評価する。
検査
血液検査で間質性肺炎マーカー(KL-6、SP-D)の上昇、特異的抗体(抗トリコスポロン抗体など)の陽性を確認する。胸部高分解能CT(HRCT)で「びまん性のすりガラス影」や「小葉中心性粒状影」を認める。気管支肺胞洗浄(BAL)でリンパ球割合の増加とCD4/CD8比の低下(1.0以下)を確認する。環境誘発試験(自宅に戻ると症状・検査所見が悪化)も診断的価値が高い。
鑑別
特発性間質性肺炎(IPFなど:環境による変動なし、BALで好中球・好酸球増多)、サルコイドーシス(BALでCD4/CD8比上昇)、マイコプラズマ肺炎、オウム病と鑑別する。
初期対応
最も重要かつ第一の治療は「抗原からの隔離」である。直ちに入院させるか、転居・自宅の清掃・カビの除去、鳥の飼育中止・羽毛布団の廃棄を指導する。
根本治療
急性の場合は抗原から隔離するだけで症状は自然軽快することが多い。しかし、呼吸困難や低酸素血症などの症状が強い場合や、改善が乏しい場合には副腎皮質ステロイド(プレドニゾロン)の全身投与を行う。慢性化して肺の線維化が進行した症例は難治性であり、抗線維化薬(ニンテダニブなど)の使用を検討する。
病態
吸入された抗原に対するIII型およびIV型アレルギー反応により、肺の間質にリンパ球の浸潤や肉芽腫形成が起こる。
原因
日本ではTrichosporon(トリコスポロン:室内の水回りに発生するカビ)を原因とする「夏型過敏性肺炎」が約7割を占める。他にも鳥の排泄物・羽毛による「鳥飼病」や、カビた干し草による「農夫肺」などがある。
分類
急性・亜急性型と、抗原曝露が長期間続き肺の線維化(蜂巣肺など)を来した慢性型に分類される。
試験での重要ポイント
「夏に古い木造住宅で発症(または帰宅すると悪化)し、入院すると軽快する」というエピソードがあれば夏型過敏性肺炎を強く疑う。気管支肺胞洗浄(BAL)における「リンパ球の著増」と「CD4/CD8比の低下(CD8優位)」は超頻出。第一の治療がステロイドではなく「抗原からの隔離」である点も最重要である。鑑別でよく出るのは「特発性間質性肺炎(特発性肺線維症:IPF)」や、CD4優位となる「サルコイドーシス」である。
覚え方・コツ
「過敏性肺炎は、夏にカビ(トリコ)吸ってゲホゲホ、入院で治る。BALではCD8(ハチ)が飛ぶ(CD4/CD8低下)」と覚える。
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リンパ脈管筋腫症(LAM)は、妊娠可能年齢の女性に好発し、平滑筋細胞に似た異常細胞(LAM細胞)が肺やリンパ管で増殖する指定難病である。肺野全体に無数の薄壁嚢胞を形成し、繰り返す自然気胸や乳び胸水(白濁した胸水)を特徴とする。CBTや医師国家試験では、LCHとの鑑別や特異的な治療薬が毎年問われる超頻出疾患である。
気管支喘息は、気道の慢性的な炎症により気道が過敏になり、発作性の喘鳴や呼吸困難を繰り返す疾患である。夜間や早朝に悪化しやすく、可逆的な気流制限を特徴とする。CBTや医師国家試験では、診断基準、スパイロメトリの結果、治療ステップ(長期管理と発作時治療)が頻出の重要疾患である。
肺胞蛋白症は、肺胞内にサーファクタント由来の異常な蛋白様物質が過剰に蓄積し、ガス交換が障害される稀な呼吸器疾患である。健診での異常陰影や労作時の息切れを契機に発見されることが多い。CBTや医師国家試験において、特徴的な胸部CT画像や気管支肺胞洗浄液(BALF)の所見、特殊な治療法が頻出である。
ランゲルハンス細胞組織球症(LCH)は、樹状細胞の一種であるランゲルハンス細胞が異常増殖し、骨、皮膚、肺などに肉芽腫を形成する稀な疾患である。呼吸器分野(肺LCH)としては、若年〜中年の喫煙者に好発し、肺の上中肺野に多発する結節や奇妙な形の嚢胞を形成し、自然気胸を繰り返すことが特徴である。CBTや医師国家試験では、喫煙との強い関連や特徴的な画像・病理所見が頻出である。