最終更新日: 2026年4月18日
アスクレピアで深掘りする緊張性気胸は、肺や胸壁の損傷部がチェックバルブ(一方向弁)として働き、吸気時に胸腔内に空気が流入するが呼気時に排出されず、胸腔内圧が異常上昇する致死的病態である。心臓や大血管の圧迫による閉塞性ショックを引き起こすため、CBTや国試では、画像検査を待たずに直ちに胸腔穿刺(脱気)を行うことが超頻出の重要疾患である。
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突然の著明な呼吸困難、胸痛
ショック症状(血圧低下、頻脈、冷汗、意識障害)
頸静脈怒張(静脈還流の阻害による)
チアノーゼ
気管の健側(対側)偏位
患側の呼吸音減弱〜消失、打診で鼓音
初期評価
ショックバイタル(血圧低下、頻脈)と頸静脈怒張、呼吸音の左右差、気管の偏位から『臨床的』に診断する。画像検査を優先してはならない。
検査
緊急脱気(穿刺)による救命が最優先である。処置後に胸部X線撮影を行い、患側の異常な透過性亢進(肺紋理の消失)、肺の完全虚脱、縦隔の健側偏位、横隔膜の低位・平坦化を確認する。
鑑別
最大の鑑別疾患は「心タンポナーデ」である。心タンポナーデも頸静脈怒張とショック(Beckの三徴)を伴うが、呼吸音の左右差はなく、心音の微弱・遠音が特徴である。また、巨大なブラや急性肺塞栓症とも鑑別する。
初期対応(緊急救命処置)
診断と同時に、直ちに『胸腔穿刺』を行い脱気する。一般的に患側の「鎖骨中線第2肋間」に太めの注射針(留置針)を刺入し、胸腔内圧を下げる。
根本治療
穿刺による減圧でバイタルサインを安定させた後、速やかに『胸腔ドレナージ(トロッカーカテーテル挿入)』を行い、持続的に脱気・再膨張を図る(挿入部位は第4〜5肋間中腋窩線付近など)。空気漏れが持続する場合や再発を繰り返す場合は、胸腔鏡下でのブラ切除などの外科的治療を行う。
病態
胸腔内に空気が蓄積し続け、胸腔内が高度の陽圧となる。これにより縦隔が健側に偏位し、静脈還流が著しく阻害されて心拍出量が激減し、閉塞性ショックに至る。
原因
自然気胸の悪化、外傷(肋骨骨折などによる肺損傷)、医原性(人工呼吸器の陽圧換気、中心静脈穿刺時の合併症など)。
試験での重要ポイント
「突然の呼吸困難」「血圧低下(ショック)」「頸静脈怒張」「気管の健側偏位」がキーワード。最大のポイントは『X線検査を待たずに、臨床所見のみで直ちに胸腔穿刺(脱気)を行う』点であり、国試で「まず行うこと」にX線撮影を選ぶと「禁忌肢」となることがある。穿刺部位は『鎖骨中線第2肋間』が定番。
覚え方・コツ
「緊張性気胸は、空気が入る一方の地獄の風船(チェックバルブ)。心臓が潰されてショック(血圧低下・頸静脈怒張)。レントゲンを撮る暇はない、すぐに第2肋間に針を刺せ(脱気)!」
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好酸球性副鼻腔炎は、成人発症の気管支喘息に合併しやすく、両側性の多発性鼻茸と高度な嗅覚障害を特徴とする難治性の慢性副鼻腔炎である。マクロライド系抗菌薬が無効で手術後も再発しやすく、CBTや医師国家試験では篩骨洞優位の画像所見やステロイドの有効性が頻出の重要疾患である。
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA、旧アレルギー性肉芽腫性血管炎)は、気管支喘息などが先行し、著明な好酸球増多と小型血管の肉芽腫性炎症をきたす自己免疫疾患である。多発単神経炎などを伴い、CBTや医師国家試験では喘息の既往とMPO-ANCA陽性が頻出の重要疾患である。
サルコイドーシスは、原因不明の非乾酪性類上皮細胞肉芽腫が全身の臓器(特に肺、眼、皮膚、心臓、神経)に多発する指定難病である。20〜30歳代と50〜60歳代(特に女性)の二峰性の発症ピークを持つ。健診の胸部X線で両側肺門リンパ節腫脹(BHL)として偶然発見されることが多い。CBTや医師国家試験では、特異的な血液・気管支肺胞洗浄液(BALF)所見や、多臓器病変(ぶどう膜炎、房室ブロックなど)、ステロイドの適応が毎年問われる超頻出疾患である。
リンパ脈管筋腫症(LAM)は、妊娠可能年齢の女性に好発し、平滑筋細胞に似た異常細胞(LAM細胞)が肺やリンパ管で増殖する指定難病である。肺野全体に無数の薄壁嚢胞を形成し、繰り返す自然気胸や乳び胸水(白濁した胸水)を特徴とする。CBTや医師国家試験では、LCHとの鑑別や特異的な治療薬が毎年問われる超頻出疾患である。