化膿性関節炎は、関節腔内に細菌が感染して化膿性の炎症を起こす、整形外科領域における超緊急疾患(Red Flag)である。数日以内に不可逆的な関節軟骨の破壊が進行するため、疑った瞬間に緊急の関節内洗浄(ドレナージ)と抗菌薬投与が必要となる。
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局所症状:突然の激しい関節痛(安静時痛あり、少しの体動でも激痛)、著明な腫脹、発赤、熱感。関節可動域の著しい制限。
好発部位:膝関節、股関節(小児に多い)、肩関節などの大関節。
全身症状:高熱、悪寒、戦慄、全身倦怠感(敗血症に至ることもある)。
関節液検査(最重要・必須):『関節穿刺』を行い、外観(混濁〜膿性)、細胞数(好中球が数万〜10万/μL以上と著増)、糖の著明な低下を確認する。直ちに『グラム染色』を行い、原因菌を推定する(培養も提出)。
血液検査:白血球著増、CRP著増、プロカルシトニン上昇。血液培養(2セット)。
画像診断:初期のX線では関節裂隙の開大や軟部組織の腫脹のみだが、進行すると関節軟骨・骨の破壊像を認める。MRIは早期の炎症波及や膿瘍形成の評価に有用。
外科的治療(緊急):ただちに『関節ドレナージ(関節鏡下または直視下の関節内洗浄・滑膜切除)』を行い、大量の生理食塩水で膿と細菌を徹底的に洗い流す。
薬物療法:グラム染色の結果に基づいて、速やかに『広域抗菌薬の点滴静注』を開始する(黄色ブドウ球菌をカバーするセファゾリンやバンコマイシンなど)。培養結果が出たら最適な抗菌薬に変更(デエスカレーション)し、数週間投与を継続する。
局所の安静:患部をシーネ等で固定し安静を保つ。
病態
血行性(他の感染巣からの血流を介した波及)や、外傷・関節注射による直達性などで細菌が関節内に侵入する。原因菌は『黄色ブドウ球菌』が最多であり、次いで連鎖球菌などが多い。小児や高齢者、糖尿病やステロイド使用などの免疫低下状態の患者に好発する。
試験・臨床での重要ポイント
少しでも関節を動かすと激痛が走る(自動・他動運動ともに著しく制限される)のが特徴。痛風や偽痛風との鑑別が極めて重要だが、化膿性関節炎を見逃してステロイドを関節内注射してしまうと最悪の事態(敗血症や関節破壊)を招くため、必ず『関節穿刺』を行い、関節液の『グラム染色』と培養で菌の有無を確認することが絶対の鉄則。
覚え方・コツ
「化膿性関節炎は『関節の中の細菌パニック(超緊急)』!膝や股関節が赤く腫れ上がり、1ミリ動かすだけでも激痛で泣き叫ぶ。痛風や偽痛風と似ているが、こっちは『細菌』が原因だから、数日で軟骨が溶けて一生歩けなくなる。迷ったらすぐに太い針を刺して(関節穿刺)、白く濁った膿を引け!すぐに手術(関節を洗う)と抗菌薬の点滴だ!」
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脊柱管狭窄症は、加齢に伴う骨や靱帯の変形により脊柱管が狭くなり、中の馬尾神経や神経根が慢性的に圧迫される疾患である。高齢者に多く、歩行により下肢痛・しびれが出現し、休むと改善する「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」が特徴的である。
椎間板ヘルニアは、椎体間のクッションである椎間板の髄核が線維輪を突き破って脱出し、脊髄や神経根を圧迫する疾患である。若年〜壮年の男性に多く、腰痛とともに片側の激しい下肢放散痛(坐骨神経痛)やしびれをきたす。
全身性エリテマトーデス(SLE)は、多彩な自己抗体(特に抗dsDNA抗体)が産生され、全身の皮膚、関節、腎臓、中枢神経などに炎症をきたす多臓器疾患である。20〜40代の女性に好発し、Ⅲ型アレルギーによる免疫複合体の沈着(ループス腎炎など)が病態の核心となる。
肩関節周囲炎は、加齢に伴い肩関節の関節包や腱板などの周囲組織に炎症が生じ、痛みと可動域制限(拘縮)をきたす疾患である。いわゆる「五十肩」であり、夜間痛や結髪・結帯動作の困難が特徴的である。