NTM症は、結核菌とらい菌以外の抗酸菌(特にMAC菌)による肺感染症である。結核と異なり『ヒト・ヒト感染はない』ため隔離の必要はない。中高年女性に多く、緩徐に進行する多発小結節と気管支拡張が特徴である。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
慢性咳嗽、喀痰、血痰(喀血)。
進行すると、微熱、全身倦怠感、体重減少。
※無症状で健診の胸部異常影として発見されることも多い。
画像診断:胸部CT。右中葉や左舌区の小結節影、小葉中心性粒状影、気管支拡張、空洞(結核より薄壁なことが多い)。
細菌学的検査:『喀痰培養で2回以上』、または気管支洗浄液・肺生検組織で1回以上の同一菌種の検出が必須。
血液検査:MAC抗体(抗GPLコアIgA抗体)の上昇(MAC症の診断に有用)。
治療方針:無症状や軽症の場合は経過観察。進行例では薬物療法を行う。
標準的3剤併用療法(MAC症):『クラリスロマイシン(CAM)』 + 『リファンピシン(RFP)』 + 『エタンブトール(EB)』。必要に応じてストレプトマイシンやアミカシンの併用、リポソーム化アミカシンの吸入を行う。治療期間は排菌陰性化後1年以上の継続が推奨される(長期戦)。
病態
土壌や水(浴室のシャワーヘッドなど)などの環境中に存在する菌の吸入によって生じる。日本ではM. aviumとM. intracellulareによる『MAC症』が約90%を占める。
試験・臨床での重要ポイント
「結核ではない抗酸菌」であり、隔離が不要であることが公衆衛生・医療安全上の最重要ポイント。典型像は『中年以降の痩せ型の女性』の『右中葉(S4, S5)や左舌区』にみられる多発小結節と気管支拡張影(結節気管支拡張型)。結核と異なり、治療にはマクロライド系を含む3剤併用を年単位で行う必要がある。
覚え方・コツ
「NTM(MAC症)は『うつらない抗酸菌』!浴室掃除をする痩せたおばちゃんに多い。右の中っ腹(中葉)に影ができる。結核より治りにくいから、クラリスロマイシン(マクロライド)を中心とした薬を1年以上、根気よく飲む必要がある。隔離しなくていいのが最大の救い!」
ここで読んだ内容を、AIや関連コンテンツでそのまま深掘りできます。
MRSA腸炎は、広域抗菌薬の使用により正常な腸内細菌叢が抑制され、耐性を持つメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が異常増殖して生じる交代現象(菌交代症)の一つである。高齢者の術後などに激しい水様便や緑色便をきたし、急速に脱水・ショックへ進行する重症病態である。
肺炎球菌による市中肺炎(CAP)の最多かつ最も重要な原因疾患。悪寒戦慄を伴う急激な高熱と、「鉄錆色痰(てつさびいろたん)」が特徴的。肺の一葉がベッタリと白くなる大葉性肺炎を呈する。
レジオネラ肺炎は、温泉や24時間風呂、空調の冷却塔などの水系設備から発生するエアロゾルを吸入することで感染する、重症化しやすい非定型肺炎である。高熱に不釣り合いな「相対的徐脈」と、消化器・神経症状、および「低ナトリウム血症」を伴うのが特徴である。
マイコプラズマ肺炎は、「若年者(学童〜若年成人)」に好発する非定型肺炎の代表である。頑固な乾いた咳(乾性咳嗽)が特徴で、細胞壁を持たない菌であるためペニシリンなどのβラクタム系抗菌薬が無効であり、マクロライド系が第一選択となる。