最終更新日: 2026年4月17日
アスクレピアで深掘りする水疱性類天疱瘡は、高齢者に好発する自己免疫性水疱症である。表皮と真皮の境界部(基底膜)に対する自己抗体により、強いそう痒を伴う破れにくい緊満性水疱が多発する。CBTや医師国家試験では、尋常性天疱瘡との鑑別が超頻出であり、ニコルスキー現象陰性、表皮下水疱、抗BP180抗体陽性が絶対暗記キーワードである。
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水疱性類天疱瘡は、高齢者に好発する自己免疫性水疱症である。表皮と真皮の境界部(基底膜)に対する自己抗体により、強いそう痒を伴う破れにくい緊満性水疱が多発する。CBTや医師国家試験では、尋常性天疱瘡との鑑別が超頻出であり、ニコルスキー現象陰性、表皮下水疱、抗BP180抗体陽性が絶対暗記キーワードである。
強いそう痒感(水疱形成に先行して紅斑とかゆみが出現することが多い)
緊満性水疱(パンパンに張って破れにくい厚い屋根を持つ水疱)
紅斑、浮腫性紅斑(水疱の周囲や辺縁に伴う)
ニコルスキー現象陰性
※口腔粘膜疹は稀(約10〜20%程度。尋常性天疱瘡との重要な鑑別点)
初期評価
高齢者における強いそう痒と緊満性水疱の多発から疑う。糖尿病治療薬(DPP-4阻害薬)の内服歴を必ず確認する。
検査
血液検査で「抗BP180抗体(または抗BP230抗体)」の陽性と、末梢血好酸球の増多を確認する。確定診断のために水疱部から皮膚生検を行い、病理組織で「表皮下水疱」と水疱内への「好酸球浸潤」を確認する。さらに蛍光抗体直接法(DIF)を実施し、基底膜部に「IgGとC3の線状沈着」を証明する。
鑑別
最大の鑑別疾患は「尋常性天疱瘡(若〜中年、Dsg3抗体、弛緩性水疱、ニコルスキー陽性、表皮内水疱、網目状沈着、口腔粘膜疹が必発)」である。その他、水疱を伴う薬疹、多形紅斑、後天性表皮水疱症と鑑別する。
初期対応
薬剤性(DPP-4阻害薬など)が疑われる場合は、直ちに被疑薬の投与を中止する。
根本治療
第一選択は「副腎皮質ステロイドの全身投与(プレドニゾロン)」である。軽症例では強力なステロイド外用薬の単独療法や、テトラサイクリン系抗菌薬+ニコチン酸アミドの併用が行われることもある。ステロイド抵抗例や減量困難例には、免疫抑制薬や血漿交換療法、大量免疫グロブリン静注療法(IVIG)を併用する。強いかゆみに対しては抗ヒスタミン薬を投与する。
病態
表皮基底細胞と真皮をつなぐ接着構造(ヘミデスモゾーム)を構成する「BP180」や「BP230」に対するIgG自己抗体が産生され、基底膜部で補体が活性化して炎症(好酸球浸潤)が起こることで、表皮の下に水疱(表皮下水疱)が形成される。
原因
多くは原因不明で高齢者(70歳以上)に好発するが、近年は糖尿病治療薬である「DPP-4阻害薬」による薬剤誘発性の類天疱瘡が急増しており、国試でも重要視されている。
分類
自己免疫性水疱症に分類される。
試験での重要ポイント
『尋常性天疱瘡』との鑑別がすべてである。「高齢者の強いかゆみ」から始まり、「パンパンに張った破れにくい水疱(緊満性水疱)」が全身にできる。天疱瘡とは異なり『ニコルスキー現象は陰性』であり、『口腔粘膜疹は稀』である。病理組織問題として『表皮下水疱』と好酸球の浸潤が出題される。蛍光抗体直接法(DIF)では『基底膜部にIgGとC3が線状に沈着』する点が、天疱瘡(網目状)との決定的な違いである。
覚え方・コツ
「類天疱瘡は、かゆいお年寄り(DPP-4内服注意)。深いところ(表皮下水疱)だからパンパンで破れない(緊満性・ニコルスキー陰性)。口内炎は出ない。抗体はBP180、蛍光抗体法は真っ直ぐ線状(リニア)!」
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重症多形滲出性紅斑は、薬剤などを契機に高熱とともに全身の紅斑、水疱、びらん、および重篤な粘膜疹(眼、口腔、陰部)をきたす致死的な疾患である。体表面積の表皮剥離割合により、スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)と中毒性表皮壊死症(TEN)に分類される。CBTや国試では、ニコルスキー現象陽性、重篤な眼病変、ステロイドパルス療法が超頻出である。
尋常性疣贅は、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって生じる良性の皮膚腫瘍である。手足の指や足底に好発し、表面がザラザラした硬い角化性の丘疹や結節を形成する。CBTや医師国家試験では、病理組織でのコイロサイト(空胞化細胞)の出現や、鶏眼(ウオノメ)との鑑別、液体窒素による凍結療法が第一選択となる点が頻出の重要疾患である。
基底細胞癌(BCC)は、表皮の基底細胞に由来する皮膚癌であり、日本で最も発生頻度が高い悪性腫瘍の一つである。高齢者の顔面に好発し、真珠様光沢を伴う黒褐色結節を特徴とする。CBTや医師国家試験では、ダーモスコピー所見(樹枝状血管など)や病理組織(周辺柵状配列)、および転移が極めて稀である点が頻出の重要疾患である。
悪性黒色腫(メラノーマ)は、メラノサイト由来の極めて悪性度の高い皮膚癌である。日本人では足底などに生じる末端黒子型が最多である。CBTや医師国家試験では、早期発見のためのABCDEルールや、ダーモスコピー検査、生検の際の注意点(原則として全切除生検とし、部分生検は避ける)、およびBRAF変異陽性例に対する分子標的薬が超頻出の重要疾患である。