有棘細胞癌は、表皮の有棘層を構成する細胞から発生する悪性腫瘍である。日光角化症や熱傷瘢痕、慢性放射線皮膚炎などの前駆病変を母地として発生することが多い。CBTや医師国家試験では、病理組織における癌真珠(パール)の形成や、所属リンパ節転移への注意、および前癌病変からの発生エピソードが頻出の重要疾患である。
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不規則な形の角化性結節や腫瘤(カリフラワー状、乳頭状に隆起する)
潰瘍形成、悪臭を伴う滲出液や易出血性
所属リンパ節腫大(転移による無痛性・硬いリンパ節の触知)
腫瘍の増大に伴う疼痛
初期評価
前駆病変(瘢痕や日光角化症など)の存在と、急速に増大する角化性腫瘤や難治性潰瘍から強く疑う。
検査
確定診断のために「皮膚生検」を行う。病理組織で「異型扁平上皮細胞の真皮内への浸潤増殖」と「癌真珠(角化傾向)」、「細胞間橋の残存」を確認する。同時に、超音波検査やCT、MRIなどで所属リンパ節転移や遠隔転移の有無(病期分類)を評価する。腫瘍マーカーとして血清SCC抗原が上昇することがある。
鑑別
鑑別でよく出るのは「基底細胞癌(黒色、真珠様光沢、転移稀)」や「悪性黒色腫(黒色、ダーモスコピー所見)」、および急速に増大し数ヶ月で自然退縮する良性腫瘍である「ケラトアカントーマ(角化棘細胞腫:病理組織が有棘細胞癌と酷似するため慎重な鑑別が必要)」である。
初期対応
転移のリスクがあるため、安易な不完全切除(削り取りなど)は避け、十分な全身評価を行った上で根治手術を計画する。
根本治療
第一選択は、腫瘍辺縁から十分な安全域(マージン)を確保した「外科的広範切除術」である。必要に応じて「所属リンパ節郭清」を併施する。切除不能な進行例や転移例に対しては、放射線療法や、免疫チェックポイント阻害薬(抗PD-1抗体:セミプリマブなど)、あるいは細胞障害性抗がん剤による化学療法を行う。
病態
表皮角化細胞が悪性化し、真皮以降に深く浸潤・増殖する皮膚癌である。基底細胞癌と比較して、リンパ行性・血行性に転移を起こしやすい。
原因
紫外線曝露が最大の原因だが、熱傷瘢痕(やけどの跡)、慢性放射線皮膚炎、尋常性狼瘡(皮膚結核の跡)、ボーエン病、日光角化症などの既存の病変(母地)から二次的に発生することが多い。
分類
発生母地により、日光角化症由来、瘢痕由来(Marjolin潰瘍など)などに分けられる。
試験での重要ポイント
「やけどの跡(熱傷瘢痕)」や「放射線治療の跡」、「長年放置された日光角化症」が突然隆起し、カリフラワー状の腫瘤や潰瘍を形成した、という病歴が極めて頻出である。病理組織問題として、腫瘍細胞の集簇の中心部に角質が同心円状に配列する『癌真珠(cancer pearl)』の画像が絶対暗記キーワードである。また、基底細胞癌と異なり『リンパ行性転移を起こしやすい』ため、触診や画像検査による所属リンパ節の評価が必須となる。
覚え方・コツ
「有棘細胞癌は、やけどの跡や日光角化症から出てくるカリフラワー(腫瘤)。病理で見えるタマネギの断面みたいなのが癌真珠(パール)!リンパ節に飛ぶから首や脇の下もしっかり触れ!」
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晩発性皮膚ポルフィリン症は、ヘム生合成経路の酵素異常により、光過敏性物質であるポルフィリンが体内に蓄積する代謝疾患。C型肝炎や多量飲酒を背景に中高年で発症し、日光露光部(手背や顔面)の水疱・びらんや、尿の赤色化を特徴とする。
アトピー性皮膚炎は、増悪と軽快を繰り返す瘙痒(かゆみ)のある湿疹を主病変とする疾患。皮膚のバリア機能異常と、アトピー素因(IgE抗体を産生しやすい体質やアレルギー疾患の家族歴)が背景にある。
帯状疱疹後神経痛は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)による帯状疱疹の皮疹が治癒した後も、3ヶ月以上にわたって持続する難治性の神経痛。高齢者に多く、焼けるような痛みや電撃痛を特徴とする。
ダリエー病は、ATP2A2遺伝子変異により、表皮細胞間の結合が弱まる(棘融解)とともに異常な角化(ジスケラトーシス)を生じる常染色体顕性(優性)遺伝疾患。脂漏部位(胸・背中・頭皮)に多発する悪臭を伴う角化性丘疹が特徴。