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本態性血小板血症は、骨髄増殖性腫瘍(MPN)の一つであり、造血幹細胞の遺伝子異常により主に巨核球が異常増殖し、末梢血の血小板数が持続的に著増する疾患である。無症状で発見されることが多いが、血栓症と出血傾向の両方に注意が必要である。
無症状(健診での血小板増多で偶然発見されることが多い)。
微小循環障害:頭痛、めまい、視覚異常、赤痛症(erythromelalgia:手足の末端が赤く腫れて焼け付くように痛む)。
大血管血栓症:脳梗塞、一過性脳虚血発作(TIA)、心筋梗塞、深部静脈血栓症。
出血症状:鼻出血、歯肉出血、消化管出血(※特に血小板数が100万を超えるような著増例で後天性vWF症候群を合併し出血しやすくなる)。
血液検査:持続的な血小板増多(45万/μL以上)。白血球増多を伴うこともある。
骨髄検査:大型で成熟した巨核球の著明な増生(線維化は目立たない)。
遺伝子検査:JAK2、CALR、MPL変異のいずれかを証明する。
※CML(BCR-ABL陰性)、PV、PMF、および二次性血小板増多症を除外することが診断基準に含まれる。
治療方針
主な目的は血栓症および出血合併症の予防である。
①低リスク(60歳未満かつ血栓症の既往なし等):原則として経過観察、または『低用量アスピリン(抗血小板薬)』の投与で血栓を予防する。
②高リスク(60歳以上または血栓症の既往あり等):低用量アスピリンに加え、『細胞減少療法(ヒドロキシカルバミド、またはアナグレリド)』を行って血小板数をコントロールする。※極端な血小板増多(後天性vWF症候群合併)がある場合、アスピリンは出血を助長するため慎重投与または禁忌となる。
病態
JAK2 V617F変異(約半数)、CALR変異、MPL変異などの遺伝子異常により、エリスロポエチンやトロンボポエチンなどの刺激なしに細胞が自律的に増殖する。主に巨核球系が過形成となり、機能的にも異常な血小板が大量に産生される。
試験・臨床での重要ポイント
「血小板が多い」からといってすぐにETと診断してはならない。鉄欠乏性貧血や感染症、摘脾後などによる『二次性(反応性)の血小板増加』を除外することが超重要。
ETでは、血小板が多すぎて血管が詰まる『血栓症(脳梗塞、心筋梗塞など)』が予後を決定する。しかし同時に、異常な血小板が正しく働かなかったり、フォンヴィレブランド因子(vWF)が吸着・消費されて減ったり(後天性von Willebrand症候群)することで『出血傾向』もきたしうるのが引っかけポイント。
覚え方・コツ
「ETは『血小板が勝手に増えまくる』MPNの仲間!JAK2などの変異が原因。血小板だらけで血がドロドロになるから『血栓(詰まる)』が怖いけど、不良品の血小板だったり材料を使い果たしたりして逆に『出血(血が止まらない)』することもある。高齢者や血栓歴のあるハイリスクの人にはアスピリンとハイドレア(細胞を減らす薬)を飲ませる!」
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クリオグロブリン血症は、体温より低い温度(寒冷曝露)で沈殿し、37℃に温めると再溶解する異常な免疫グロブリン(クリオグロブリン)が血中に存在する病態。C型肝炎(HCV)感染に高率に合併し、紫斑や関節痛、腎障害を引き起こす。
AIHAは、自己の赤血球に対する抗体(自己抗体)が産生され、赤血球が破壊(溶血)されることで進行性の貧血や黄疸をきたす疾患である。「温式(IgG)」と「冷式(IgM)」に大別され、直接クームス試験陽性が確定診断の要となる。
ALPSは、リンパ球のアポトーシス(細胞死)障害により、慢性的な非悪性リンパ増殖(リンパ節腫脹、肝脾腫)と自己免疫疾患(主に血球減少症)をきたす稀な遺伝性免疫疾患である。ダブルネガティブT細胞(DNT)の増加が特徴的。
急性前骨髄球性白血病(APL)は、骨髄芽球から前骨髄球への分化段階で成熟が停止する急性骨髄性白血病(FAB分類M3)である。重篤なDIC(播種性血管内凝固症候群)を合併しやすく致死的になり得るが、ATRA(分化誘導療法)が劇的に著効する特異な白血病である。