Gitelman症候群は、遠位尿細管のナトリウム・クロール共輸送体(NCC)の遺伝的機能不全により、低カリウム血症、代謝性アルカローシス、低マグネシウム血症をきたす常染色体潜性遺伝疾患である。サイアザイド系利尿薬の長期服用と同じ病態となる。
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多くは無症状か軽症(健診での低カリウム血症で偶然発見されることが多い)
易疲労感、筋力低下、四肢の脱力
低マグネシウム血症・低カリウム血症による筋けいれん(こむら返り)、テタニー
塩分渇望(しょっぱいものを好む)
初期評価
血圧が正常で、原因不明の低カリウム血症を認めた場合に疑う。
検査
血液・尿検査で「低カリウム血症」「代謝性アルカローシス」「高レニン・高アルドステロン血症(二次性)」「血清マグネシウム低値」「尿中カルシウム排泄低下(Ca/Cr比低下)」を確認する。確定診断は遺伝子検査。
治療
カリウムおよびマグネシウムの経口補充が基本となる。低カリウム血症が強い場合は、カリウム保持性利尿薬(スピロノラクトンなど)やACE阻害薬/ARBを併用し、Kの尿中排泄を抑制する。
病態
SLC12A3遺伝子の変異によりNCCが機能せず、遠位尿細管でのNa+とCl-の再吸収が障害される。代償として集合管でのNa+再吸収とK+・H+の排泄が亢進し、低K血症・アルカローシスとなる。また、カルシウムの再吸収が亢進する。
試験での重要ポイント
Bartter(バーター)症候群との鑑別が超頻出。Gitelmanは『学童期以降〜成人』での発見が多く、症状が比較的マイルドである。決定的な鑑別ポイントは、Gitelmanでは血中Mgが低くなる『低マグネシウム血症』を伴いやすく、尿中へのカルシウム排泄が減る『低カルシウム尿症』を呈することである(※Bartterは高カルシウム尿症で腎結石になりやすい)。血圧は『正常〜低め』である(※高血圧なら原アルやLiddleを疑う)。
覚え方・コツ
「Gitelmanは『生まれつきサイアザイドを飲んでいる』状態!遠位尿細管がサボるからKとMgが抜ける(低K・低Mg血症)。Bartterとの違いは、発症が遅め(大人でも見つかる)で、おしっこにCaが出ない(低カルシウム尿症)こと!」
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Bartter症候群は、ヘンレの太い上行脚におけるイオン輸送体の遺伝的機能不全により、低カリウム血症と代謝性アルカローシスをきたす疾患である。ループ利尿薬を大量に飲んでいるのと同じ状態になり、高カルシウム尿症を呈する点がGitelman症候群との鑑別で重要である。
Gilbert症候群は、肝細胞におけるビリルビン抱合酵素の遺伝的活性低下により、軽度の間接(非抱合型)ビリルビン優位の高ビリルビン血症をきたす体質性黄疸である。健常人の数%に見られる良性疾患であり、治療は不要である。
アルポート症候群は、IV型コラーゲンの遺伝子変異により、腎臓、内耳、眼の基底膜に異常を来す遺伝性疾患である。幼児期からの血尿で発症し、進行性の腎機能障害、感音難聴、眼合併症(円錐水晶体など)を特徴とする。大部分がX連鎖遺伝であり、CBTや医師国家試験では、電子顕微鏡での基底膜の「網目状(basket-weave)変化」や、男児の難聴・血尿の家族歴が頻出である。
SIADH(抗利尿ホルモン不適合分泌症候群)は、血漿浸透圧が低下しているにもかかわらず、抗利尿ホルモン(ADH)が過剰に分泌され、体内に水分が貯留して低ナトリウム血症をきたす疾患である。食欲不振や全身倦怠感、重症化すると意識障害を特徴とし、CBTや医師国家試験の内分泌分野で毎年問われる超頻出疾患である。