PAHは、肺の細小動脈が狭窄・閉塞することで肺動脈圧が上昇し、右心不全に至る疾患である。特発性、遺伝性、または膠原病(強皮症など)や先天性心疾患に伴うものがある。指定難病であり、早期の多剤併用療法が予後を改善する。
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初期:労作時息切れ、易疲労感。
進行期:失神(心拍出量不足)、胸痛、チアノーゼ。
右心不全症状:頸静脈怒張、下腿浮腫、肝腫大、腹水。
初期評価:原因不明の息切れとIIP亢進から疑う。
心エコー(スクリーニング):三尖弁逆流圧較差(TRPG)の上昇、右室拡大、中隔の左室側への圧排(D-shape)。
胸部X線:肺動脈主幹部の突出(第2弓の突出)、末梢肺血管の透過性亢進。
確定診断:『右心カテーテル検査』。平均肺動脈圧、肺毛細血管楔入圧(左心不全の除外)、肺血管抵抗を測定する。
薬物療法(肺血管拡張薬):3つの経路をターゲットにする。
①エンドセリン受容体拮抗薬(ボセンタン等)、②PDE5阻害薬(シルデナフィル等)/ 可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激薬、③プロスタサイクリン(PGI2)製剤(エポプロステロール等)。重症例ではPGI2製剤の持続静注を含む多剤併用療法を行う。
支持療法:酸素療法、利尿薬、抗凝固薬。
難治例:肺移植。
病態
肺血管内皮細胞の増殖や内膜の肥厚により、肺血管抵抗が増大する。結果として右心室に負荷がかかり、右心不全(肺性心)をきたす。
試験・臨床での重要ポイント
若年女性に多い特発性PAH(IPAH)のエピソードが定番。身体所見での『II音肺動脈成分(IIP)の亢進』と、心電図・エコーでの『右室肥大・右軸偏位』が重要キーワード。膠原病(特に全身性強皮症のLcSSc型)の合併症としても重要。確定診断と重症度評価には『右心カテーテル検査』による平均肺動脈圧(>20mmHg)と肺血管抵抗の測定が必須。
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QT延長症候群は、心筋の再分極時間が延長し、心電図上でQT間隔が長くなる病態である。致死的な不整脈(Torsades de pointes:TdP)から失神や突然死をきたす恐れがある。先天性と後天性(薬剤、電解質異常)がある。
肺血栓塞栓症は、主に下肢や骨盤内の深部静脈に形成された血栓が血流に乗って肺動脈を閉塞する致死的な疾患である。「エコノミークラス症候群」としても知られ、突然の呼吸困難や胸痛をきたす。Dダイマーの上昇と造影CTでの血栓(造影欠損)の証明が診断の鍵となる。
ロイス・ディーツ症候群は、TGF-β受容体などの遺伝子変異による結合組織疾患である。マルファン症候群に似た骨格症状を呈するが、動脈瘤がより広範囲に多発し、若年・より小さな径で破裂しやすいという極めて重篤な血管病変を特徴とする。
たこつぼ心筋症は、精神的・肉体的な強いストレスを契機に発症する、可逆性の一過性左室収縮不全である。心電図や症状は急性心筋梗塞に酷似するが、冠動脈に有意な狭窄はなく、左室造影で「たこつぼ(心尖部が膨隆し基部が過収縮)」様の形態を呈する。