医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の再活性化により、片側の神経支配領域に一致して痛みを伴う紅斑と水疱が多発する感染性皮膚疾患である。CBTや医師国家試験では、ラムゼイ・ハント症候群(顔面神経麻痺)やハッチンソン徴候(三叉神経第1枝領域)、および帯状疱疹後神経痛(PHN)への移行が頻出の重要疾患である。
神経痛様の疼痛(皮疹出現の数日〜1週間前から先行することが多い)
片側性の浮腫性紅斑、小水疱(神経支配領域=デルマトームに沿って帯状に配列する)
びらん、潰瘍、痂皮(カサブタ)
知覚異常、アロディニア(触れるだけで痛い)
発熱やリンパ節腫脹を伴うことがある
初期評価
片側性の先行する神経痛と、同部位に出現した正中を越えない帯状の水疱群から臨床的に診断する。
検査
多くは特徴的な臨床所見のみで診断可能だが、非典型例では水疱内容物の「Tzanck(ツァンク)試験」を行い、多核巨細胞を確認する。また、水疱内容物の迅速抗原検査キットやPCR法でVZVを検出する。
鑑別
鑑別でよく出るのは「単純疱疹(HSV感染:同じ部位に再発しやすい、デルマトームに沿わない)」や「接触性皮膚炎(かぶれ:原因物質の接触部に一致、痛みよりかゆみ)」、「丹毒(水疱は稀、境界明瞭な発赤・高熱)」である。
初期対応
疼痛に対してはNSAIDsやアセトアミノフェンを投与し、皮膚の二次感染を防ぐため患部を清潔に保つ。
根本治療
ウイルスの増殖を抑え皮疹の重症化を防ぐため、発症早期(できれば72時間以内)に「抗ヘルペスウイルス薬(アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル、アメナメビル)」の全身投与(内服または点滴)を開始する。帯状疱疹後神経痛(PHN)に移行した場合は、プレガバリン、ミロガバリン、三環系抗うつ薬、SNRI(デュロキセチン)などを用いたペインクリニック的アプローチが必要となる。予防として、50歳以上に対するワクチン接種が推奨されている。
病態
初感染(水痘:水ぼうそう)後に知覚神経節(脊髄後根神経節や三叉神経節)に潜伏感染していたVZVが、加齢や疲労、免疫低下を契機に再活性化し、神経の走行に沿って皮膚に到達し炎症と水疱を引き起こす。
試験での重要ポイント
画像問題として「身体の片側(正中を越えない)」に「帯状に分布する水疱を伴う紅斑」が出される。国家試験で極めて頻繁に問われる合併症が2つある。1つ目は顔面神経・内耳神経領域の再活性化による『Ramsay Hunt(ラムゼイ・ハント)症候群』(耳介の水疱、末梢性顔面神経麻痺、難聴・めまい)。2つ目は三叉神経第1枝(眼神経)領域の再活性化による鼻背部の皮疹『Hutchinson(ハッチンソン)徴候』であり、角膜炎や失明のリスクがあるため眼科受診が必須となる点である。また、皮疹治癒後も長期間激しい痛みが残る『帯状疱疹後神経痛(PHN)』も重要である。
覚え方・コツ
「帯状疱疹は、片側の神経に沿った痛い水疱(正中を越えない)。耳に出たらハント症候群(顔面麻痺・難聴)、鼻の頭に出たらハッチンソン徴候(失明注意)。早期の抗ウイルス薬で神経痛(PHN)を防げ!」
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