医学部の留年率はどれくらい?国公立・私立の違いと公開データの正しい見方

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医学部の放校と退学の違いを、退学・除籍・懲戒退学・再入学の観点から学則ベースで整理。放校と言われた時に確認すべき書類、学費、奨学金、復学可能性まで解説します。
医学部で留年する理由を、基礎医学・臨床医学・CBT・OSCE・卒業試験・学費やメンタル面まで整理。留年を防ぐための具体的な勉強法と相談先を解説します。
医学部4年生向けに、臨床医学の学科試験とCBT対策を並行する方法を解説。大学試験は講義・過去問寄り、CBTはモデル・コア準拠の総合評価。そのズレを埋めて、学科試験の勉強をCBT対策に変える具体策をまとめます。
医学部の留年率はどれくらいか。文部科学省の6年次進級率・卒業率データをもとに、国公立・私立の違い、大学別データの見方、留年を防ぐ勉強法を解説します。
「医学部の留年率はどれくらい?」という検索は多いですが、最初に注意が必要です。
文部科学省が公表しているのは、一般にイメージされる「毎年何%が留年するか」という単純な年次別留年率ではありません。医学部医学科について公開されている代表的な指標は、最低修業年限での6年次進級率、最低修業年限での卒業率、新卒医師国家試験合格状況です。文部科学省 医学部医学科データ
つまり、医学部の留年率を正しく見るには、公開データの意味を理解する必要があります。
文部科学省の令和6年度データでは、令和元年度入学者について、全大学計の最低修業年限での6年次進級率は86.8%、最低修業年限での卒業率は85.5%です。文部科学省 医学部医学科データ
この数字から単純に見ると、入学者のうち約14〜15%は、最低修業年限の6年で6年次進級・卒業に到達していないことになります。
ただし、これは「1年間の留年率」ではありません。休学、退学、除籍、編入、進級停止、卒業延期などが混ざり得るため、「6年間でストレートに進んだ割合」として見るのが正確です。
同じ文部科学省資料では、国立大学計の最低修業年限での卒業率は87.9%、公立大学計は89.4%、私立大学計は81.2%です。文部科学省 医学部医学科データ
区分 | 最低修業年限での6年次進級率 | 最低修業年限での卒業率 |
|---|---|---|
国立大学計 | 88.9% | 87.9% |
公立大学計 | 90.4% | 89.4% |
私立大学計 | 83.1% | 81.2% |
全大学計 | 86.8% | 85.5% |
この表を見ると、私立医学部のほうがストレート卒業率は低めに見えます。ただし、これは大学ごとの教育方針、進級判定、卒業試験、入学者構成、支援体制などが影響するため、「私立は必ず留年しやすい」と単純化しないほうがよいです。
最低修業年限での卒業率が85.5%だからといって、「留年率が14.5%」と断定するのは雑です。
卒業率に影響する要素には、次のようなものがあります。
留年
休学
退学
除籍
編入学者の扱い
卒業試験不合格
国試出願調整
したがって、「留年率」について調べる際は、指標の定義を必ず確認してください。
6年次進級率が高いのに卒業率が下がる大学では、6年次の卒業判定や卒業試験が厳しい可能性があります。反対に、低学年で厳しく進級管理する大学では、6年次進級率そのものに影響が出ます。
国試合格率が高い大学でも、卒業率が低い場合があります。これは、卒業試験で受験者を絞っている可能性も考えられます。大学選びでは、国試合格率だけでなく、6年次進級率・卒業率も一緒に見るべきです。
医学部の留年は、大学ごとに山場が違いますが、一般に次の時期がリスクになります。
高校までの勉強法で乗り切れると思っている人が崩れやすい時期です。特に物理、化学、生物、統計、英語、基礎医学前の科目で油断すると危険です。
解剖、生理、生化学、病理、薬理、微生物、免疫など、量が一気に増えます。暗記だけでなく、仕組みを説明できないと再試で崩れます。
臨床医学の学科試験とCBT・OSCEが重なる時期です。厚生労働省は、令和5年4月から共用試験が公的化されたことを案内しています。厚生労働省 共用試験
6年次まで進んでも、卒業試験で詰まる大学があります。6年次進級率と卒業率の差を見る理由はここにあります。
医学部の留年対策で大事なのは、試験直前の根性ではありません。
健康専門職教育の系統的レビューでは、分散学習と想起練習が学業成績改善に有効とされています。PubMed
講義資料を読むだけでなく、白紙に書く、口で説明する、問題を解く勉強へ切り替えてください。
本試験前から、毎週「どの科目でどの単元が危険か」を見える化します。
CBTは知識、OSCEは技能・態度の試験です。CATOのOSCEガイドでは、OSCEが2023年度から医師法の下で公的な試験と位置付けられたこと、受験機会が原則2回であることなどが説明されています。CATO OSCE学修・受験ガイド
医学部の留年率を考えるときは、単純な「何%が留年するか」ではなく、文部科学省の6年次進級率・卒業率を正しく読むことが重要です。
令和6年度データでは、全大学計の最低修業年限での卒業率は85.5%であり、約15%は6年ストレート卒業に到達していません。
留年を防ぐには、大学ごとの進級ルールを知り、試験直前ではなく普段から想起・分散復習・問題演習を回すことが必要です。
公開データの見方によります。文部科学省の令和6年度データでは、全大学計の最低修業年限での卒業率は85.5%です。これをもとに、6年ストレートで卒業しなかった割合は約14.5%と見られます。
文部科学省データでは、私立大学計の最低修業年限での卒業率は国公立より低めです。ただし、大学差が大きく、私立だから一律に留年しやすいとは言えません。
安心とは限りません。進級判定、卒業試験、教育支援、学費、国試合格率を総合して見る必要があります。
※本記事は以下の公開情報をもとに、医学部生向けに整理しています。大学ごとの扱いは必ず自大学の学則・学生便覧・教務案内を優先してください。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
基礎医学の試験に落ちた医学生向けに、再試に受かるための勉強法を解説。アクティブリコール、分散復習、問題演習、失敗パターン、1〜4週間の立て直し方まで整理します。