ヘモクロマトーシスは、鉄の過剰な吸収・蓄積により、肝臓、膵臓、心臓、皮膚などの実質臓器が障害される疾患。原発性(遺伝性)と、頻回な輸血などによる続発性(二次性鉄過剰症)がある。皮膚色素沈着、肝硬変、糖尿病が古典的三徴である。
最終更新日: 2026年5月31日
ヘモクロマトーシスは、鉄の過剰な吸収・蓄積により、肝臓、膵臓、心臓、皮膚などの実質臓器が障害される疾患。原発性(遺伝性)と、頻回な輸血などによる続発性(二次性鉄過剰症)がある。皮膚色素沈着、肝硬変、糖尿病が古典的三徴である。
肝障害:全身倦怠感、肝腫大、肝硬変症状(腹水など)、肝細胞癌。
内分泌障害:糖尿病(膵島β細胞の破壊)、性機能低下、色素沈着(青銅色、灰褐色)。
循環器障害:心不全(拡張型心筋症様)、不整脈。
関節痛(ピロリン酸カルシウム結晶の沈着による偽痛風など)。
血液検査:血清鉄上昇、TIBC低下、トランスフェリン飽和度(TSAT)上昇(> 50%)、『血清フェリチン著増』。空腹時血糖高値、AST/ALT上昇。
画像診断:腹部MRI(T2*強調画像やT2強調画像で肝臓が異常な低信号:黒く抜ける)。
肝生検:ベルリンブルー(Berlin blue)染色で、肝細胞内に青く染まる鉄顆粒(ヘモジデリン)を多数認める。
瀉血(しゃけつ)療法(原発性の第一選択):定期的に血液(1回400〜500mL)を抜き取り、赤血球として鉄を強制的に体外へ排出させる。
鉄キレート療法(続発性の第一選択):デフェロキサミンやデフェラシロクスを用いて、体内の鉄を結合させ尿中・糞便中へ排泄させる(輸血依存性の患者などで瀉血ができない場合に使用)。
食事療法:鉄分やビタミンC(鉄吸収を促進する)の摂取制限。
病態
ヒトには鉄を積極的に排泄するメカニズムがないため、吸収が過剰(遺伝子変異)であったり、輸血等で外部から過剰に鉄が入ったりすると、臓器に鉄(フェリチン、ヘモジデリン)が沈着して酸化ストレスを引き起こし、組織を破壊・線維化させる。
試験・臨床での重要ポイント
『青銅色糖尿病(bronze diabetes)』という古典的キーワードが国試で有名。
臓器沈着による三大症状:①皮膚(青銅色の色素沈着)、②肝臓(肝硬変→肝細胞癌へ進行)、③膵臓(インスリン分泌低下による糖尿病)。これに心不全や不整脈(心筋への鉄沈着)が加わる。
血液検査では、鉄欠乏性貧血と「真逆」の動きをする。『血清鉄上昇』、『血清フェリチン著増(数千単位)』、『TIBC低下』となる。
覚え方・コツ
「ヘモクロマトーシスは『鉄が体に貯まりすぎてサビつく病気』!肝臓がサビて肝硬変になり、膵臓がサビて糖尿病になり、皮膚がサビて青銅色(ブロンズ色)になるのが三徴だ。フェリチン(貯蔵鉄)が異常に高い!治療はシンプルで、血を抜いて鉄を捨てる(瀉血)か、鉄とくっついてウンチや尿から捨てる薬(鉄キレート剤)を使う!」
白血球減少症は、末梢血の白血球数が基準値(通常4000/μL未満)を下回る状態。臨床的に最も問題となるのは、細菌感染の防御を担う「好中球」の減少(好中球数1500/μL未満)であり、500/μL未満になると「無顆粒球症」と呼ばれ、致死的な感染症のリスクとなる。
非ホジキンリンパ腫は、ホジキンリンパ腫以外の全ての悪性リンパ腫の総称であり、日本のリンパ腫の90%以上を占める。B細胞性、T/NK細胞性に大別され、節外病変(胃、腸、甲状腺など)が多く、非連続性に飛び石のように転移する特徴がある。
慢性骨髄性白血病は、造血幹細胞の染色体異常(フィラデルフィア染色体)によって生じる骨髄増殖性腫瘍。異常なチロシンキナーゼ(BCR-ABL)が作られ、白血球(特に顆粒球系)が自律性に過剰増殖する。チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)の登場により予後が劇的に改善した。
慢性リンパ性白血病は、形態的に成熟した小型のBリンパ球が異常増殖し、末梢血や骨髄、リンパ節に蓄積する低悪性度の血液腫瘍。欧米の白血病では最多だが、日本人には極めて稀である。進行が非常に緩徐であり、無症状の場合は治療を行わず経過観察される。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
都内私立大学医学部卒業。現在は都内基幹病院にて初期研修中。学生時代はCBT・国試対策に注力し、学習法に関する情報発信にも関心を持つ。