遺伝性球状赤血球症は、赤血球の膜タンパク質(スペクトリンやアンキリンなど)の異常により、赤血球が球状になり、脾臓で過剰に破壊される(血管外溶血)先天性溶血性貧血である。日本人で最も多い遺伝性溶血性貧血である。
最終更新日: 2026年5月1日
遺伝性球状赤血球症は、赤血球の膜タンパク質(スペクトリンやアンキリンなど)の異常により、赤血球が球状になり、脾臓で過剰に破壊される(血管外溶血)先天性溶血性貧血である。日本人で最も多い遺伝性溶血性貧血である。
貧血症状:易疲労感、息切れ、顔面蒼白。
溶血症状:黄疸(眼球結膜の黄染)、褐色尿、脾腫、胆石発作(右季肋部痛)。
無形成発作:パルボウイルスB19感染による急激な重症貧血。
血液検査:貧血、網赤血球増加(代償性造血)、間接ビリルビン上昇、ハプトグロビン低下、LDH上昇。
末梢血塗抹:中心淡染が消失した『小型の球状赤血球』の多数出現。MCHC上昇。
特殊検査:『赤血球浸透圧脆弱性試験』において脆弱性亢進(陽性)。クームス試験は陰性(AIHAとの鑑別)。
対症療法:葉酸の補充(造血亢進による消費増大のため)。
外科的治療(根本治療):中等症〜重症例では『脾臓摘出術(脾摘)』を行う。※脾摘後は肺炎球菌などの莢膜を持つ細菌への感染リスク(OPSI)が高まるため、術前に肺炎球菌ワクチンの接種が必須。
病態
赤血球の骨格を支えるタンパク質に異常があるため、細胞膜の一部がちぎれて失われ、表面積が減少して丸い球状(球状赤血球)になる。球状赤血球は変形能が低いため、脾臓の細い血管(脾索)を通り抜けられず、マクロファージに貪食されて壊される(血管外溶血)。
試験・臨床での重要ポイント
『貧血・黄疸・脾腫』の溶血三徴に、『胆石(ビリルビンカルシウム結石)』の合併が定番エピソード。丸くなるため赤血球内のHb濃度が高まり『MCHCが上昇』する(※小球性になることが多いが、MCHCが上がるのが特徴)。
診断の決め手は『赤血球浸透圧脆弱性試験(陽性)』。塩分濃度を下げていくと、健常な赤血球より早くパンクして割れる。
最大の注意点は『パルボウイルスB19』感染。これに感染すると骨髄での造血が一時ストップし、急激な大貧血(無形成発作:aplastic crisis)を起こす。
覚え方・コツ
「HSは『赤血球が丸くて硬いせいで、脾臓に引っかかって壊される病気』!壊れたカス(ビリルビン)で黄疸や黒い胆石ができる。丸いから中身がギュッと詰まって『MCHCが上がる』!薄い食塩水に入れるとすぐ割れる(浸透圧脆弱性)。パルボウイルス(リンゴ病)にかかると血が作れなくなって死にかけるから要注意!治療は赤血球の墓場である『脾臓を取る(摘出)』ことだ!」
白血球減少症は、末梢血の白血球数が基準値(通常4000/μL未満)を下回る状態。臨床的に最も問題となるのは、細菌感染の防御を担う「好中球」の減少(好中球数1500/μL未満)であり、500/μL未満になると「無顆粒球症」と呼ばれ、致死的な感染症のリスクとなる。
非ホジキンリンパ腫は、ホジキンリンパ腫以外の全ての悪性リンパ腫の総称であり、日本のリンパ腫の90%以上を占める。B細胞性、T/NK細胞性に大別され、節外病変(胃、腸、甲状腺など)が多く、非連続性に飛び石のように転移する特徴がある。
慢性骨髄性白血病は、造血幹細胞の染色体異常(フィラデルフィア染色体)によって生じる骨髄増殖性腫瘍。異常なチロシンキナーゼ(BCR-ABL)が作られ、白血球(特に顆粒球系)が自律性に過剰増殖する。チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)の登場により予後が劇的に改善した。
慢性リンパ性白血病は、形態的に成熟した小型のBリンパ球が異常増殖し、末梢血や骨髄、リンパ節に蓄積する低悪性度の血液腫瘍。欧米の白血病では最多だが、日本人には極めて稀である。進行が非常に緩徐であり、無症状の場合は治療を行わず経過観察される。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
都内私立大学医学部卒業。現在は都内基幹病院にて初期研修中。学生時代はCBT・国試対策に注力し、学習法に関する情報発信にも関心を持つ。