特定の食物を摂取した後、食物アレルゲン特異的IgE抗体を介して即時型(Type I)アレルギー反応を引き起こす疾患。乳児期に発症する鶏卵、牛乳、小麦アレルギーが代表的であり、成長に伴い耐性を獲得(自然寛解)しやすい。
最終更新日: 2026年5月31日
特定の食物を摂取した後、食物アレルゲン特異的IgE抗体を介して即時型(Type I)アレルギー反応を引き起こす疾患。乳児期に発症する鶏卵、牛乳、小麦アレルギーが代表的であり、成長に伴い耐性を獲得(自然寛解)しやすい。
摂取後2時間以内(多くは30分以内)に出現。
皮膚・粘膜症状(最多):蕁麻疹、発赤、掻痒感、口唇の腫脹、口腔内のかゆみ(OAS)。
呼吸器症状:咳嗽、喘鳴(ゼーゼー)、呼吸困難。
消化器症状:腹痛、嘔吐、下痢。
全身症状:アナフィラキシーショック。
問診:原因食物と症状の再現性の確認。
血液検査:アレルゲン特異的IgE抗体の証明(RASTなど)。
皮膚テスト:プリックテスト。
確定診断:『食物経口負荷試験(OFC)』。疑わしい食物を実際に食べて症状が出るかを確認する(アナフィラキシー対応可能な施設で行う)。
基本:『原因食物の必要最小限の除去』。※むやみに完全除去するのではなく、食べられる範囲で摂取を進めるのが現在のトレンド。
誤食時の対応:軽症(蕁麻疹など)には抗ヒスタミン薬。重症(アナフィラキシー)には『アドレナリン筋注』。
スキンケアの徹底(感作予防)。
病態
食物アレルゲンがIgE抗体と結合し、肥満細胞からヒスタミン等の化学伝達物質が放出されて症状が出る。消化管のバリア機能が未熟な乳児期に多い。近年は「経皮感作(湿疹のある皮膚からアレルゲンが入ってアレルギーになる)」の概念が重要視されている。
試験・臨床での重要ポイント
原因食物の三大頻出は『鶏卵(最多)、牛乳、小麦』。学童期以降になると『甲殻類(エビ・カニ)、果物、ピーナッツ、ソバ』が上位に入り、これらは耐性を獲得しにくい(大人になっても治りにくい)。
特殊型として国試で頻出なのが『食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FDEIA)』。原因食物(小麦や甲殻類が多い)を食べただけでは発症せず、食後数時間以内に「運動」をすることで初めてアナフィラキシーを発症する。
覚え方・コツ
「食物アレルギーの御三家は『卵・乳・小麦』!食べてすぐ(即時型:IgE)に蕁麻疹が出たり息がゼーゼーする。アトピー肌(湿疹)があると皮膚からアレルギーのスイッチが入る(経皮感作)から、赤ちゃんのスキンケアは超重要!大きくなってから気をつけるのは『食べて+運動して』急変するFDEIA(小麦とエビに多い)!診断の決定打は『実際に食べてみる(経口負荷試験)』ことだ!」
TRAPSは、TNF(腫瘍壊死因子)受容体の遺伝子変異により、病原体の感染がないのに自然免疫が暴走して長期間の発熱を繰り返す「自己炎症性疾患」。1週間以上続く発熱、遊走性の筋肉痛、眼周囲の浮腫を特徴とする。
新生児低血糖は、生後早期の新生児において血糖値が異常に低下した状態。脳のエネルギー源が枯渇するため、放置すると不可逆的な中枢神経障害(発達遅滞や脳性麻痺)を残す。母体糖尿病やFGR、早産児がハイリスクとなる。
大動脈縮窄症(CoA)は、大動脈の一部(多くは動脈管索付近)が先天的に狭くなっている疾患である。狭窄部より上(腕・頭)は高血圧となり、下(下肢)は血流低下をきたす「上下肢の血圧差」が最大の特徴。Turner症候群に高率に合併する。
プラダー・ウィリー症候群は、15番染色体長腕(15q11-q13)の「父親由来」の発現異常(ゲノムインプリンティング異常)による疾患。乳児期の重度筋緊張低下から一転し、幼児期以降は満腹中枢の異常による過食と高度肥満を呈する。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
都内私立大学医学部卒業。現在は都内基幹病院にて初期研修中。学生時代はCBT・国試対策に注力し、学習法に関する情報発信にも関心を持つ。