鉄欠乏性貧血は、ヘモグロビンの構成成分である鉄の不足により、赤血球の産生が低下して生じる貧血。全貧血の中で最も頻度が高く、小球性低色素性貧血を呈する。原因検索(消化管出血や過多月経など)が治療と同じくらい重要である。
最終更新日: 2026年5月1日
鉄欠乏性貧血は、ヘモグロビンの構成成分である鉄の不足により、赤血球の産生が低下して生じる貧血。全貧血の中で最も頻度が高く、小球性低色素性貧血を呈する。原因検索(消化管出血や過多月経など)が治療と同じくらい重要である。
一般貧血症状:動悸、息切れ、易疲労感、顔面蒼白。
組織鉄欠乏症状:スプーン状爪(さじ状爪)、異食症(氷食症)、口角炎、舌炎、嚥下困難(Plummer-Vinson症候群)。
血液検査:Hb低下、MCV低下(< 80 fL:小球性)、MCHC低下(低色素性)。
鉄代謝検査:血清鉄低下、TIBC(またはUIBC)上昇、血清フェリチン低下。
原因検索(必須):便潜血検査、上部・下部消化管内視鏡検査、婦人科エコーなど。
原因疾患の治療(消化管出血の止血、子宮筋腫の治療など)。
鉄剤の補充:『経口鉄剤』の投与。Hbが正常化しても、貯蔵鉄(フェリチン)が満たされるまで数ヶ月間内服を継続する。※経口摂取困難な場合や消化器症状が強い場合は静注鉄剤を用いる。ビタミンCは鉄の吸収を促進し、お茶(タンニン)は阻害するが、現代の鉄剤ではあまり気にしなくてよいとされる。
病態
鉄不足により、ヘムの合成が障害される。原因は①需要増大(成長期、妊娠)、②供給不足(偏食、胃切除後)、③排泄増加(過多月経、消化管出血、子宮筋腫など)に大別される。
試験・臨床での重要ポイント
検査データの動きが超頻出。
『血清鉄(Fe)低下』、『血清フェリチン(貯蔵鉄)低下』、『総鉄結合能(TIBC)上昇』が典型的なパターン。
特異的な身体所見として、爪が反り返る『スプーン状爪(さじ状爪:koilonychia)』、氷を異常に食べる『異食症(氷食症)』、舌炎、口角炎。これに嚥下困難が加わったものを『Plummer-Vinson(プラマー・ビンソン)症候群』と呼ぶ。
覚え方・コツ
「IDAは『材料不足で作られた、小さくて薄い赤血球(小球性低色素性)』!鉄の貯金箱(フェリチン)が空っぽになり、鉄を運ぶトラック(TIBC)はヒマになって増える。爪がスプーンみたいに反り返ったり、氷をガリガリ食べるようになったらサイン!若い女性なら生理のせい(過多月経)、おじいちゃんなら胃ガンや大腸ガン(消化管出血)を必ず疑え!」
白血球減少症は、末梢血の白血球数が基準値(通常4000/μL未満)を下回る状態。臨床的に最も問題となるのは、細菌感染の防御を担う「好中球」の減少(好中球数1500/μL未満)であり、500/μL未満になると「無顆粒球症」と呼ばれ、致死的な感染症のリスクとなる。
非ホジキンリンパ腫は、ホジキンリンパ腫以外の全ての悪性リンパ腫の総称であり、日本のリンパ腫の90%以上を占める。B細胞性、T/NK細胞性に大別され、節外病変(胃、腸、甲状腺など)が多く、非連続性に飛び石のように転移する特徴がある。
慢性骨髄性白血病は、造血幹細胞の染色体異常(フィラデルフィア染色体)によって生じる骨髄増殖性腫瘍。異常なチロシンキナーゼ(BCR-ABL)が作られ、白血球(特に顆粒球系)が自律性に過剰増殖する。チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)の登場により予後が劇的に改善した。
慢性リンパ性白血病は、形態的に成熟した小型のBリンパ球が異常増殖し、末梢血や骨髄、リンパ節に蓄積する低悪性度の血液腫瘍。欧米の白血病では最多だが、日本人には極めて稀である。進行が非常に緩徐であり、無症状の場合は治療を行わず経過観察される。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
都内私立大学医学部卒業。現在は都内基幹病院にて初期研修中。学生時代はCBT・国試対策に注力し、学習法に関する情報発信にも関心を持つ。