若年性特発性関節炎は、16歳未満で発症し、6週間以上持続する原因不明の慢性関節炎の総称。大きく「全身型(Still病)」「多関節型」「少関節型」に分類され、それぞれ特徴的な症状と合併症を持つ。
全身型:弛張熱、サーモンピンク皮疹、全身のリンパ節腫脹、肝脾腫、心膜炎。
少関節型・多関節型:関節の腫脹、疼痛、朝のこわばり。少関節型は無症状のままぶどう膜炎が進行することがある。
除外診断が基本:感染症、悪性腫瘍(白血病など)、他の自己免疫疾患を除外する。
血液検査:全身型ではCRP著増、白血球増多、血清フェリチン著増(MASの兆候)。少関節型ではANA陽性。
全身型:『副腎皮質ステロイド』の全身投与、免疫抑制薬。近年は生物学的製剤(トシリズマブ:抗IL-6受容体抗体、カナキヌマブ:抗IL-1β抗体)が著効する。
少関節型・多関節型:『NSAIDs』、メトトレキサート(MTX)、生物学的製剤(TNF阻害薬など)。
眼科的治療(ぶどう膜炎):ステロイド点眼など。
病態と分類
①『全身型(小児のStill病)』:関節炎に加え、全身の激しい炎症を伴う。リウマチ因子(RF)も抗核抗体(ANA)も「陰性」となる。
②『少関節型』:侵される関節が1〜4個(特に膝などの大関節)。女児に多く、『抗核抗体(ANA)陽性』となることが多い。高率に『虹彩毛様体炎(ぶどう膜炎)』を合併する。
③『多関節型』:5個以上の関節が侵され、成人の関節リウマチに近い。
試験・臨床での重要ポイント
全身型の症状として『弛張熱(39℃以上の高熱と平熱を日差で繰り返す)』と、発熱時に出現し解熱すると消退する『サーモンピンク皮疹(リウマトイド疹)』が超頻出。また、重篤な合併症である『マクロファージ活性化症候群(MAS)』に警戒する。
少関節型は、関節症状が軽くても「ぶどう膜炎」が進行して失明するリスクがあるため、『必ず眼科を受診し、スリットランプ検査を定期的に受ける』のが鉄則。
覚え方・コツ
「JIAの全身型は『熱・ピンクのブツブツ・リンパ節』!リウマチ因子も抗核抗体も出ないのが特徴。少関節型は『女の子の膝が腫れて、目が悪くなる(ぶどう膜炎)』から、関節だけ診て安心せずに絶対に眼科へ送れ!」
TRAPSは、TNF(腫瘍壊死因子)受容体の遺伝子変異により、病原体の感染がないのに自然免疫が暴走して長期間の発熱を繰り返す「自己炎症性疾患」。1週間以上続く発熱、遊走性の筋肉痛、眼周囲の浮腫を特徴とする。
新生児低血糖は、生後早期の新生児において血糖値が異常に低下した状態。脳のエネルギー源が枯渇するため、放置すると不可逆的な中枢神経障害(発達遅滞や脳性麻痺)を残す。母体糖尿病やFGR、早産児がハイリスクとなる。
大動脈縮窄症(CoA)は、大動脈の一部(多くは動脈管索付近)が先天的に狭くなっている疾患である。狭窄部より上(腕・頭)は高血圧となり、下(下肢)は血流低下をきたす「上下肢の血圧差」が最大の特徴。Turner症候群に高率に合併する。
プラダー・ウィリー症候群は、15番染色体長腕(15q11-q13)の「父親由来」の発現異常(ゲノムインプリンティング異常)による疾患。乳児期の重度筋緊張低下から一転し、幼児期以降は満腹中枢の異常による過食と高度肥満を呈する。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
都内私立大学医学部卒業。現在は都内基幹病院にて初期研修中。学生時代はCBT・国試対策に注力し、学習法に関する情報発信にも関心を持つ。