志賀毒素を産生する大腸菌による感染症で、強い腹痛や血便を生じ、溶血性尿毒症症候群(HUS)を合併する場合がある。下痢の程度だけで全身の危険を判断しない。
最終更新日: 2026年10月27日
志賀毒素を産生する大腸菌による感染症で、強い腹痛や血便を生じ、溶血性尿毒症症候群(HUS)を合併する場合がある。下痢の程度だけで全身の危険を判断しない。
汚染された食品や水などから経口感染し、少ない菌量でも感染が成立しうる。牛などが保菌し、加熱不十分な食品や調理時の二次汚染に注意する。患者から周囲への伝播も予防する。
志賀毒素による傷害は腸管だけにとどまらず、微小血管の障害に関わる。HUSでは溶血性貧血、血小板減少、急性腎障害が特徴になる。血便がある患者で尿量や意識の変化も確認する理由はここにある。
水様便から血便へ移行し、強い腹痛を伴うことがある。発熱は必ずしも強くない。下痢の発症から数日後にHUSを生じる場合があり、便が改善したように見えても顔色不良、尿量低下、浮腫、傾眠などに注意する。
便検査で病原体や毒素などを確認し、血算、血小板、腎機能、溶血の所見などを病状に応じて評価する。O157以外の血清型も原因になりうるため、菌名の一部だけに対象を限定しない。
血便を認める他の腸炎、炎症性腸疾患、虚血性腸炎なども鑑別する。HUSが疑われる場合は、下痢の経過、採血、尿所見をつなげて速やかに専門的評価を行う。
脱水と電解質を評価して適切に補液し、重症例やHUSでは腎・神経などの合併症へ対応する。抗菌薬の適応は病状、発症時期、指針などを踏まえて判断し、血便だから広域抗菌薬を自動的に投与するという扱いにしない。止痢薬についても安易に使用しない。
感染拡大防止のため手洗い、食品の十分な加熱、調理器具の衛生、トイレや環境の適切な清掃を行う。食品を扱う人の対応などは、医療機関や保健所の指示に従って確認する。
血便の後に尿量が減り、血小板が低下した患者では、単なる脱水だけでなくHUSを考える。破砕赤血球などの溶血所見と腎障害を合わせる。HUSの三徴を暗記する際は、毒素に関連する微小血管障害から各所見がどう生じるかを説明し、すべての血便例がHUSになるわけではないことも押さえる。
カンピロバクター腸炎は、主にC. jejuniやC. coliの感染による腸炎である。加熱不十分な鶏肉などが感染源となり、腹痛、下痢、発熱を生じる。食事歴と潜伏期間を含めて評価する。
CDIは、毒素を産生するClostridioides difficileによって下痢や大腸炎を生じる感染症である。菌や毒素関連遺伝子が検出されることと、症状を伴う感染症であることを区別する。
クラミジア感染症は、クラミジア・トラコマティスによる、日本で最も報告数の多い性感染症(STI)である。特に女性では「無症状」であることが多く、放置すると骨盤内炎症性疾患(PID)や不妊症、異所性妊娠の原因となるため極めて重要。
COVID-19は、SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)による急性呼吸器疾患。無症状から重症のARDS(急性呼吸窮迫症候群)まで多彩な経過をたどる。飛沫・エアロゾル感染が主体であり、ワクチンの普及と抗ウイルス薬の開発により致命率は低下したが、依然として高齢者や基礎疾患保有者では重症化リスクが高い。
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