血小板減少症は、一次止血を担う血小板数が基準値(通常15万/μL以下)に低下する病態。点状出血や紫斑などの皮膚粘膜出血を特徴とし、免疫性血小板減少性紫斑病(ITP)、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、播種性血管内凝固症候群(DIC)、骨髄での産生低下(白血病など)が代表的な原因である。
最終更新日: 2026年5月1日
血小板減少症は、一次止血を担う血小板数が基準値(通常15万/μL以下)に低下する病態。点状出血や紫斑などの皮膚粘膜出血を特徴とし、免疫性血小板減少性紫斑病(ITP)、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、播種性血管内凝固症候群(DIC)、骨髄での産生低下(白血病など)が代表的な原因である。
皮膚粘膜出血:点状出血(下腿に多い)、紫斑(青あざ)、鼻出血、歯肉出血。
消化管出血(下血)、血尿、月経異常。
※頭蓋内出血(脳出血)は致死的となるため最も警戒を要する。
血液検査:血小板数の低下。PAIgG陽性(ITP)。破砕赤血球(TTP、DIC)。PT・APTT延長、FDP・Dダイマー上昇(DIC)。
骨髄検査:巨核球の増加(末梢での破壊亢進:ITPなど)、または巨核球の減少(産生低下:再生不良性貧血など)。
ピロリ菌検査(ITPの鑑別に必須)。
ITPの治療:①ピロリ菌陽性なら『ピロリ菌除菌』、②『副腎皮質ステロイド』、③難治例に『脾摘』やトロンボポエチン(TPO)受容体作動薬。
TTPの治療:『血漿交換療法』(※血小板輸血は血栓を悪化させるため禁忌)。
血小板輸血:活動性出血がある場合、または血小板数が極端に低い(1万〜2万/μL未満)場合に行う(TTPなどを除く)。
病態・鑑別疾患
①『ITP(特発性/免疫性血小板減少性紫斑病)』:自己抗体(PAIgG)により脾臓で血小板が壊される。ピロリ菌感染が原因となることが多く、除菌で治癒することがある。赤血球や白血球は正常で「血小板だけが減る」のが特徴。骨髄では血小板を作る巨核球が増加している。
②『TTP(血栓性血小板減少性紫斑病)』:ADAMTS13という酵素が働かないため、巨大なVWFが血小板を巻き込んで全身の細い血管に血栓を作る。「血小板減少、溶血性貧血、腎障害、発熱、精神神経症状」の五徴が有名で、血漿交換が特効薬。
③『DIC(播種性血管内凝固症候群)』:全身で血液が凝固し、血小板と凝固因子を使い果たして逆に出血する。敗血症や急性前骨髄球性白血病(APL)に合併する。
試験・臨床での重要ポイント
出血の「出方」が重要。血小板の異常は『一次止血異常』であるため、『点状出血(押しても消えない赤い点)、紫斑、鼻出血、歯肉出血、過多月経』などの「皮膚・粘膜出血」が主体となる(関節内出血などの深部出血は凝固因子異常のサイン)。
白血球減少症は、末梢血の白血球数が基準値(通常4000/μL未満)を下回る状態。臨床的に最も問題となるのは、細菌感染の防御を担う「好中球」の減少(好中球数1500/μL未満)であり、500/μL未満になると「無顆粒球症」と呼ばれ、致死的な感染症のリスクとなる。
非ホジキンリンパ腫は、ホジキンリンパ腫以外の全ての悪性リンパ腫の総称であり、日本のリンパ腫の90%以上を占める。B細胞性、T/NK細胞性に大別され、節外病変(胃、腸、甲状腺など)が多く、非連続性に飛び石のように転移する特徴がある。
慢性骨髄性白血病は、造血幹細胞の染色体異常(フィラデルフィア染色体)によって生じる骨髄増殖性腫瘍。異常なチロシンキナーゼ(BCR-ABL)が作られ、白血球(特に顆粒球系)が自律性に過剰増殖する。チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)の登場により予後が劇的に改善した。
慢性リンパ性白血病は、形態的に成熟した小型のBリンパ球が異常増殖し、末梢血や骨髄、リンパ節に蓄積する低悪性度の血液腫瘍。欧米の白血病では最多だが、日本人には極めて稀である。進行が非常に緩徐であり、無症状の場合は治療を行わず経過観察される。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
都内私立大学医学部卒業。現在は都内基幹病院にて初期研修中。学生時代はCBT・国試対策に注力し、学習法に関する情報発信にも関心を持つ。