抗菌薬のデエスカレーション|培養結果から治療を組み直す3例
菌名だけで自動変更せず、感染巣、感受性、患者の反応を確認して抗菌薬を見直す考え方です。
開始時と結果判明後では、答える問いが違う
感染症の初期治療では、原因菌がまだ不明な状況で重症度や感染部位を基に薬剤を選びます。その後、培養や画像、臨床経過で情報が増えたら、治療範囲、投与経路、期間を改めて検討します。このうち、より狭い抗菌スペクトラムへ調整することなどをデエスカレーションと呼びます。
これは治療の手抜きではなく、得られた情報に合わせて必要な治療を選び直す作業です。ただし、培養で菌名が出た瞬間に必ず狭域化するという機械的な手順でもありません。
例1:原因菌が分かり、患者も改善している
尿路感染が疑われて治療を開始し、血液と尿から整合する菌が検出されたとします。感受性結果、腎機能、閉塞の有無を確かめ、治療反応が良好であれば、その菌と感染巣に十分な薬剤への変更を検討します。改善後の経口切替は、服用・吸収が可能か、適切な経口薬があるかも条件です。
感受性があることと、どの感染部位でも同じ薬が使えることは別です。用量・間隔は薬剤と病態により異なるため、この学習例から処方量を推測しないでください。