SGLT2阻害薬とシックデイ|血糖だけでは見抜けないケトアシドーシス
尿糖排泄を増やす作用から、脱水や血糖が著しく高くないDKAへの注意、事前の対応計画までを学びます。
尿糖が増える仕組みを出発点にする
SGLT2阻害薬は腎近位尿細管でのグルコース再吸収を抑え、尿中への排泄を増やします。血糖低下に加え、浸透圧利尿による体液への影響も考える必要があります。尿糖陽性は作用によって起こるため、尿糖だけで糖尿病の悪化を判定しません。
エンパグリフロジンなどは、糖尿病以外の適応を持つ製剤もあります。心不全や慢性腎臓病での使用条件と、糖尿病での血糖改善目的の条件は同一ではありません。薬効の分類だけで適応や腎機能条件を共通化しないでください。
食べられない日に何が重なるか
発熱、嘔吐、下痢、食事や水分摂取の低下がある日は、脱水や代謝の変化が起こりやすくなります。摂取エネルギーの低下、感染によるストレス、相対的なインスリン不足などが重なると、脂肪分解とケトン体産生が進む場合があります。
SGLT2阻害薬の使用中は尿への糖排泄もあるため、DKAであっても血糖が極端に高くないことがあります。「いつもの高血糖ほどではないので大丈夫」と判断すると、代謝性アシドーシスを見逃す可能性があります。
確認したい症状と検査
悪心、嘔吐、腹痛、強い倦怠感、息苦しさなどがある場合、薬剤名、最後の服用時刻、摂取状況、インスリンの使用状況を確認します。必要に応じて血中ケトン体、血液ガス、電解質などを評価します。血糖値だけでは判定できません。