DKAは、インスリン作用の著しい不足によってケトン体が増え、代謝性アシドーシスと脱水を生じる急性代謝失調である。血糖値の高さだけで診断・除外せず、ケトンと酸塩基を確認する。
最終更新日: 2026年10月27日
DKAは、インスリン作用の著しい不足によってケトン体が増え、代謝性アシドーシスと脱水を生じる急性代謝失調である。血糖値の高さだけで診断・除外せず、ケトンと酸塩基を確認する。
インスリンが不足すると肝の糖産生が増え、筋などでの糖利用が低下する。同時に脂肪分解が進み、肝で脂肪酸からケトン体が作られる。酸の負荷が増えると重炭酸が消費され、アニオンギャップが開いた代謝性アシドーシスとなる。
尿糖は水と電解質の喪失を増やす。体内のKは不足していても、インスリン不足や酸塩基変化のため血清Kが正常・高値のことがある。検査値の濃度と体内の総量を区別する。
口渇、多尿、体重減少、嘔吐、腹痛、倦怠感、脱水、意識変容などを認める。深く大きな呼吸はアシドーシスへの代償であり、不安による過換気と決めつけない。腹痛がDKAによる場合も、誘因となる腹部疾患がある場合もある。
血糖、血中ケトン、血液ガス、重炭酸、Na・K、腎機能などを合わせる。血中βヒドロキシ酪酸はケトンの評価に有用で、尿試験紙で測る成分と異なる。治療で成分の比率が変わるため、尿ケトンだけで回復を判断しない。
SGLT2阻害薬使用中、食事摂取不良、妊娠などでは、血糖が著しく高くなくてもケトアシドーシスが起こりうる。乳酸上昇や腎不全など、他のアシドーシスの併存も調べる。
医療機関で輸液、インスリン、電解質補正、誘因への対応を行う。インスリンによりKが細胞内に移動するため、開始時のKと治療中の変化の監視が必要である。低Kがある状況では、インスリンを先行させることが危険になりうる。
血糖が低下した後もケトン産生やアシドーシスが解消したとは限らず、糖の補給とインスリンを組み合わせて管理する場合がある。血糖、ケトン、酸塩基、意識、循環を反復評価し、単一の数値で治療終了としない。
インスリン投与が途絶えた患者に嘔吐、深い呼吸、高血糖とケトン増加があればDKAを考える。血清Kが高くても全身のK貯蔵が十分とはいえない。高浸透圧高血糖状態との混合例もあるため、「1型ならDKA、2型ならHHS」と病型だけで振り分けない。飲酒や飢餓に伴うケトーシスとも、病歴と血糖・酸塩基を組み合わせて区別する。
HHSは、著しい高血糖と高浸透圧、脱水を中心とする急性代謝失調である。強いケトアシドーシスが目立たない例でも重症であり、意識・循環・電解質を含む管理が必要になる。
1型糖尿病は、膵β細胞の破壊によってインスリン分泌が低下する糖尿病である。自己免疫が関わる例が多いが、自己抗体陰性の病型もある。小児に限らず成人でも発症し、分泌が著しく低下すると生命維持のためにインスリン補充が必要となる。
2型糖尿病は、インスリン分泌の低下と作用の効きにくさが組み合わさり、慢性の高血糖を生じる疾患である。体格だけで病型を判断せず、症状、血糖、経過、合併症を合わせて評価する。
副腎皮質ステロイドの使用に伴い、糖新生の増加やインスリン抵抗性などを通じて血糖が上がる状態である。新たな糖尿病の発症と、既存の糖尿病の悪化の両方が起こりうる。
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