副腎皮質ステロイドの使用に伴い、糖新生の増加やインスリン抵抗性などを通じて血糖が上がる状態である。新たな糖尿病の発症と、既存の糖尿病の悪化の両方が起こりうる。
最終更新日: 2026年10月27日
副腎皮質ステロイドの使用に伴い、糖新生の増加やインスリン抵抗性などを通じて血糖が上がる状態である。新たな糖尿病の発症と、既存の糖尿病の悪化の両方が起こりうる。
グルココルチコイドは肝での糖産生を促し、末梢でのインスリン作用にも影響する。薬剤の種類、量、投与時刻、投与経路、もとの分泌能力によって血糖の上がり方が変わる。朝に中間作用型を内服する例では、午後から夕方の高血糖が目立つことがあり、空腹時だけでは捉えにくい。
感染や基礎疾患の活動性も血糖へ影響するため、すべての変化をステロイドだけのせいにしない。開始・増量日と血糖の時系列を並べ、併存する負荷も整理する。
無症状のこともあれば、口渇、多尿、倦怠感などを認める。重い高血糖、脱水、意識の変化では急性代謝失調を評価する。感染を起こしやすい背景を持つ患者も多いため、全身状態の変化と血糖上昇を同時に確認する。
使用中の薬剤名、投与量と時刻、治療前の血糖・HbA1c、治療中の食前・食後値などを確認する。急に始まった高血糖ではHbA1cがまだ大きく変わっていない場合がある。糖尿病の診断基準による評価と、治療中の血糖管理の判断は分ける。
既存の糖尿病、膵疾患、他の薬剤、感染なども検討する。自己測定の時刻が薬効と食事に対応しているかを見て、日内変動を把握する。
原疾患の治療計画と血糖管理を調整し、必要に応じてインスリンなどを用いる。著しい高血糖や急性代謝失調では、内服薬だけで対応し続けることは適切ではない。ステロイドの効果と高血糖の時間帯に合わせて管理を組み立てる。
減量・中止に伴って必要な血糖降下薬も変わる。ステロイドだけが減り、インスリン量が同じままだと低血糖を生じる場合がある。基礎疾患のために必要なステロイドを患者が自己判断で急に中止することも避ける。
治療開始前のHbA1cが正常に近くても、午後の血糖が高ければ薬剤に関連する変化を検討する。反対に長期の高HbA1cがあれば、以前からの糖代謝異常も考える。退院後もステロイド量が変わる予定かを確認し、測定、薬剤調整、相談先を一つの計画として共有する。
2型糖尿病は、インスリン分泌の低下と作用の効きにくさが組み合わさり、慢性の高血糖を生じる疾患である。体格だけで病型を判断せず、症状、血糖、経過、合併症を合わせて評価する。
HHSは、著しい高血糖と高浸透圧、脱水を中心とする急性代謝失調である。強いケトアシドーシスが目立たない例でも重症であり、意識・循環・電解質を含む管理が必要になる。
DKAは、インスリン作用の著しい不足によってケトン体が増え、代謝性アシドーシスと脱水を生じる急性代謝失調である。血糖値の高さだけで診断・除外せず、ケトンと酸塩基を確認する。
甲状腺中毒症に伴い、Kの細胞内移動による低カリウム血症と一過性の脱力発作を生じる病態である。筋力低下だけで神経疾患と決めず、電解質と甲状腺機能を確認する。
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