最終更新日: 2026年10月27日
HHSは、著しい高血糖と高浸透圧、脱水を中心とする急性代謝失調である。強いケトアシドーシスが目立たない例でも重症であり、意識・循環・電解質を含む管理が必要になる。
高血糖による浸透圧利尿が水分喪失を進める。飲水が追い付かず脱水が悪化すると腎から糖を排泄する力も低下し、血糖と浸透圧の上昇がさらに進む。高齢者や飲水へアクセスしにくい人では、数日以上かけて進行する場合がある。
残存するインスリン作用が脂肪分解やケトン産生をある程度抑えていても、血糖を十分抑えられるとは限らない。この違いが、著しい高血糖と比較的少ないケトンという組み合わせを理解する手掛かりになる。
強い口渇、多尿、脱力、脱水、傾眠や意識障害などを認める。初期の多尿から、脱水と腎機能悪化が進むにつれて尿量が減ることもある。感染、脳血管疾患、薬剤変更などが誘因となるため、意識変容を高血糖だけで説明しない。
血糖、血清浸透圧、Na・K、腎機能、血液ガス、ケトンを評価する。Naをmmol/L、血糖をmg/dLで扱う有効浸透圧の近似は2×Na+血糖/18である。総浸透圧に尿素を含める計算とは区別し、使った式と単位を明記する。
血糖だけが高い状態とHHSを同一視せず、高浸透圧や脱水の根拠を確認する。DKAとHHSの特徴が重なる例もある。高血糖による水の細胞外移動で実測Naが低く見えることがあり、Naの単独値から水分状態を決めない。
輸液、インスリン、電解質管理、誘因の治療を医療機関で進める。循環や腎機能、心不全の有無などに配慮し、血糖・Na・浸透圧の変化を追う。急激な浸透圧変化を避ける必要があり、血糖を速く下げることだけが目標ではない。
治療中のK低下、低血糖、循環の変化を監視する。飲水・服薬の支援が得られていたかを確認し、回復後は再発予防に向けた生活上の障壁にも対応する。
Na 150 mmol/L、血糖720 mg/dLなら、有効浸透圧の近似は300+40=340 mOsm/kgである。これは計算の練習で、HHSの診断や治療をこの式だけで決めるものではない。BUNを加える総浸透圧の計算と混ぜないこと、血糖がmmol/Lなら18で割らないことを確認する。
DKAは、インスリン作用の著しい不足によってケトン体が増え、代謝性アシドーシスと脱水を生じる急性代謝失調である。血糖値の高さだけで診断・除外せず、ケトンと酸塩基を確認する。
2型糖尿病は、インスリン分泌の低下と作用の効きにくさが組み合わさり、慢性の高血糖を生じる疾患である。体格だけで病型を判断せず、症状、血糖、経過、合併症を合わせて評価する。
副腎皮質ステロイドの使用に伴い、糖新生の増加やインスリン抵抗性などを通じて血糖が上がる状態である。新たな糖尿病の発症と、既存の糖尿病の悪化の両方が起こりうる。
甲状腺中毒症に伴い、Kの細胞内移動による低カリウム血症と一過性の脱力発作を生じる病態である。筋力低下だけで神経疾患と決めず、電解質と甲状腺機能を確認する。
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