DKAとHHSの違い|ケトン・酸塩基・浸透圧を症例で整理する
DKAとHHSを血糖値だけで分けず、インスリン不足、ケトン産生、酸塩基、脱水から比較します。混合例や血糖が高くないDKAにも触れます。
DKAとHHSは、どちらも糖尿病に関連する緊急の代謝失調です。名前だけを対応させるより、「糖は使えるか」「ケトンが作られるか」「水をどれだけ失ったか」の三つで考えると、検査の役割がわかります。以下の数値例は学習用で、実際の治療指示を作るための例ではありません。
インスリン不足が二つの経路を動かす
インスリン作用が著しく不足すると、肝の糖産生が増え、末梢の糖利用が落ちます。さらに脂肪分解が進み、肝でケトン体が作られます。酸の負荷が増えると重炭酸が消費され、代謝性アシドーシスになります。この経路がDKAの中心です。
一方、ケトン産生を抑える程度のインスリン作用が残っていても、高血糖を抑えるには不十分な場合があります。高血糖による尿糖が水と電解質を失わせ、飲水が追い付かなければ高浸透圧と脱水が進みます。これがHHSを考えるときの中心になります。