医学生とうつ|勉強できない・涙が出る・消えたい時に最優先でやること

医学生でうつかもしれない、勉強できない、涙が出る、消えたいと感じる人へ。危険サイン、相談先、大学への伝え方、勉強再開の順番を解説します。

医学生でうつかもしれない、勉強できない、涙が出る、消えたいと感じる人へ。危険サイン、相談先、大学への伝え方、勉強再開の順番を解説します。
生理学で公式・グラフ・機序がつながらない医学生へ。循環・腎・呼吸・内分泌を丸暗記せず、フィードバックと病態に接続して理解する勉強法を解説します。
薬理学で薬品名の暗記に詰まる医学生へ。作用機序、薬効、副作用、禁忌、選択肢比較を一気につなげる覚え方を解説します。
病理学で組織像・肉眼像が覚えられない医学生へ。画像を丸暗記せず、正常構造・傷害機序・症状・検査へ結びつける勉強法を解説します。
医学生で「うつかもしれない」と感じているなら、まず知っておいてほしいことがあります。うつ状態は、意志の弱さではありません。気合いで治すものでもありません。そして、勉強量を増やせば解決するものでもありません。
医学生を対象とした大規模な系統的レビューでは、抑うつまたは抑うつ症状の推定有病割合が27.2%、自殺念慮が11.1%と報告されています。医学生のうつは、決して珍しい話ではありません。
出典:Rotenstein et al., PubMed
以下が2週間以上続く、または生活に支障がある場合は、学生相談や医療機関につながってください。
気分の落ち込みが続く
以前楽しかったことに興味がない
勉強しようとしても頭に入らない
朝起きられない
夜眠れない、または寝すぎる
食欲が落ちる、または食べすぎる
自分を責め続ける
涙が出る
消えたい、いなくなりたいと思う
特に、消えたい気持ちがある場合は、一人で判断しないでください。すぐに人につながる必要があります。
医学部では、結果が出るまでの期間が長く、評価が連続します。基礎医学でつまずくとCBTが怖くなり、CBTが怖いと実習も怖くなり、実習が怖いと医師になる未来まで怖くなります。
さらに、周囲が優秀に見えるため、自分だけが遅れているように感じやすいです。うつ状態になると、その比較がさらに強まり、「自分は終わりだ」という結論に飛びやすくなります。
ネットで症状を調べて「これはうつ病か、適応障害か、バーンアウトか」と考え続けても、苦しさはあまり減りません。診断は専門家が行うものです。あなたがやるべきことは、次の3つです。
今の状態を誰かに伝える
大学の制度につながる
医療につながる必要があるか相談する
厚生労働省の若者向けメンタルヘルスサイトでも、つらいときは友達や家族だけでなく、学校の先生、スクールカウンセラー、公的窓口、こころを専門に診る病院などに相談できると案内しています。
出典:こころもメンテしよう|困ったときの相談先
件名:体調不良による学業相談のお願い
本文:
○年○組の○○です。
ここ数週間、気分の落ち込み、睡眠の乱れ、集中困難が続いており、授業・試験準備に支障が出ています。
学業継続や受診、休学も含めて相談したいです。
学生相談または保健管理センターにつないでいただくことは可能でしょうか。
診断名がなくても相談できます。「うつです」と断定する必要はありません。「落ち込みと集中困難で困っている」で十分です。
うつっぽい状態で長時間勉強しようとすると、失敗体験が増えます。再開するなら、以下の順番です。
生活リズムを少し戻す
相談先につながる
5分だけ問題を見る
1問だけ解く
翌日に同じ時間で再開する
目標は「一気に取り返す」ではなく、「再開できる体に戻す」ことです。
以下の場合は、休学や負荷軽減を真剣に相談してよいです。
通学できない
試験勉強がまったくできない
睡眠と食事が大きく崩れている
自傷衝動がある
医師から休養を勧められている
これ以上続けると危険だと感じる
休学は負けではありません。回復のための制度です。大学のルールは各校で異なるため、教務・学生相談・保健管理センターで確認してください。
医学生のうつは、本人の弱さではなく、高負荷な環境と個人の状態が重なって起こりうるものです。勉強できない、涙が出る、消えたい、眠れない状態があるなら、最優先は勉強ではなく相談と安全確保です。
医師になる道は、一直線でなくても続けられます。まず、今日ひとりで抱え込まないでください。
うつを経験しても回復し、医師になる人はいます。大切なのは早めに治療・相談につながり、無理に悪化させないことです。
医療機関の情報は原則として守られます。大学に配慮を求める場合は、本人の同意のもとで診断書などを提出する形が一般的です。
薬が必要かどうかは医師と相談して決めます。不安がある場合は、効果、副作用、期間を質問してください。受診は薬を必ず飲むことと同義ではありません。
・厚生労働省|まもろうよ こころ
・厚生労働省|まもろうよ こころ 電話相談
・厚生労働省|まもろうよ こころ SNS相談
・厚生労働省|こころもメンテしよう 若者を支えるメンタルヘルスサイト
・厚生労働省|こころもメンテしよう 困ったときの相談先
・文部科学省|不安や悩みがあったら話してみよう
・文部科学省|学生等のみなさんへ
・文部科学省|学生相談・メンタルケアに関する資料
・厚生労働省|健康づくりのための睡眠ガイド2023
・Rotenstein LS, et al. Prevalence of Depression, Depressive Symptoms, and Suicidal Ideation Among Medical Students
・Almutairi H, et al. Prevalence of burnout in medical students
・World Health Organization|Burn-out an occupational phenomenon
・BMJ Open|Interventions to promote medical student well-being
Medulava の学習コンテンツとして、理解しやすさと再現性を意識して執筆しています。
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