検査前確率と検査後確率|1000人の表で感度・特異度を考える

感度・特異度が同じ検査でも、対象集団によって陽性の意味は変わります。架空の1000人を使い、的中率と尤度比を順に計算します。
検査の感度が90%でも、陽性だった人の90%がその病気とは限りません。「病気の人を何人拾うか」と「陽性の人のうち何人が病気か」は、分母が違うからです。まず人数で表を作り、その後で式に戻してみましょう。
最初に、四つの割合の分母を分ける
指標 |
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感度・特異度が同じ検査でも、対象集団によって陽性の意味は変わります。架空の1000人を使い、的中率と尤度比を順に計算します。
検査の感度が90%でも、陽性だった人の90%がその病気とは限りません。「病気の人を何人拾うか」と「陽性の人のうち何人が病気か」は、分母が違うからです。まず人数で表を作り、その後で式に戻してみましょう。
指標 |
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p値が小さくても重要な差とは限りません。架空の平均差と95%信頼区間を使い、統計学的有意差、臨床的重要性、推定の精度を読み分けます。
リスクが半減しても、減る人数は元のリスクで変わります。架空の試験を使い、RR・ARR・NNT・NNHと追跡期間の読み方を整理します。
全体では差が見えても、年齢別に分けると結果が変わることがあります。架空の人数表を使い、交絡・媒介・コライダーと研究の読み方を整理します。
分母にする人
分子にする人 |
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感度 | 病気がある人 | 真陽性の人 |
特異度 | 病気がない人 | 真陰性の人 |
陽性的中率 | 検査が陽性の人 | 真陽性の人 |
陰性的中率 | 検査が陰性の人 | 真陰性の人 |
「真」「偽」は、参照基準で確認した疾病の有無と、検査結果の対応を示します。感度・特異度を調べた研究の参照基準が不完全なら、この表の分類自体にも誤りが入り得ます。
ここからの数値は編集部が作成した計算練習用の仮定です。実在する検査の性能や、特定患者の発症確率を表すものではありません。感度90%、特異度90%が、比較する集団で同じと仮定します。
検査結果 | 疾病あり | 疾病なし | 合計 |
|---|---|---|---|
陽性 | 90人 | 90人 | 180人 |
陰性 | 10人 | 810人 | 820人 |
合計 | 100人 | 900人 | 1000人 |
陽性180人のうち疾病があるのは90人なので、陽性的中率は90÷180=50%です。陰性的中率は810÷820≒98.8%。陰性者に疾病が残る確率は10÷820≒1.2%で、陰性的中率とは補数の関係になります。
同じ性能を仮定して、疾病あり10人、疾病なし990人で計算します。
検査結果 | 疾病あり | 疾病なし | 合計 |
|---|---|---|---|
陽性 | 9人 | 99人 | 108人 |
陰性 | 1人 | 891人 | 892人 |
合計 | 10人 | 990人 | 1000人 |
陽性的中率は9÷108≒8.3%になります。疾病のない人が多ければ、その一部が偽陽性になるだけでも、陽性者の内訳は大きく変わります。実際には、感度や特異度も病期・採取時期・対象者・測定法で変わるため、数値を別の集団へそのまま移せるか確認します。
陽性尤度比は感度÷(1−特異度)=0.9÷0.1=9です。検査前確率10%をオッズへ直すと0.1÷0.9=1/9。これに9を掛けた検査後オッズは1で、確率は1÷(1+1)=50%です。
陰性尤度比は(1−感度)÷特異度=0.1÷0.9=1/9。検査後オッズは1/81、検査後確率は1/82≒1.2%です。確率に尤度比を直接掛けるのではなく、オッズへ変換してから更新します。
上の表は集団を理解する練習です。患者の検査前確率は、対象疾患を決めたうえで、症状・経過・診察・危険因子などから考えます。同じ地域で受診した人でも、典型的な症状がある人と、症状がなく検査を受けた人では出発点が異なります。
Dダイマーなどを除外診断へ使う場合にも、対象となる患者、測定法、判定値、診断手順の適用条件を先に確かめます。この架空検査の90%という数値を、Dダイマーや感染症検査へ流用することはできません。
対象疾患と集団、検査前確率の根拠を書く。
疾病あり・なしの人数を先に置く。
感度と特異度から四つのマスを埋める。
陽性者または陰性者を分母にして、知りたい確率を求める。
計算できたら、「この陰性結果で、何をどこまで否定できるか」を一文で説明してください。検査後確率の計算と、追加検査や治療を選ぶ判断は区別して考えます。
検査前後確率と的中率
この記事の内容に対応した3問です。解答後に、正答と各選択肢の理由を確認できます。登録せずに解説まで読めます。
3問を解く医療系学生向けの学習情報を編集・提供しています。
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