定義
11β-水酸化ステロイド脱水素酵素には主に1型と2型がある。11β-HSD1は多くの組織で不活性型コルチゾンを活性型コルチゾールへ戻し、局所作用を増強する方向に働く。11β-HSD2は腎集合管や胎盤などでコルチゾールをコルチゾンへ不活化し、鉱質コルチコイド受容体や胎児を過剰なコルチゾール作用から守る。
イメージ
血中に同じ量のホルモンがあっても、各組織の入口で活性型へ戻すか、不活性型へ変えるかによって実際の作用は変わる。特に鉱質コルチコイド受容体はアルドステロンだけでなくコルチゾールにも結合できるため、腎臓では11β-HSD2が選別装置となる。
仕組み
11β-HSD1は小胞体内腔側で働き、ヘキソース6リン酸脱水素酵素が供給するNADPHを利用して、主にコルチゾンをコルチゾールへ還元する。肝臓、脂肪組織、脳などで局所の糖質コルチコイド作用を調節する。11β-HSD2はNAD⁺を用いてコルチゾールをコルチゾンへ酸化し、遠位ネフロンなどで鉱質コルチコイド受容体を保護する。11β-HSD2が阻害または欠損すると、コルチゾールが鉱質コルチコイド受容体を活性化し、Na⁺保持、K⁺排泄増加、レニン抑制を来し得る。胎盤では母体由来コルチゾールを不活化し、胎児曝露を抑える。
例
甘草由来のグリチルレチン酸は11β-HSD2を阻害し、アルドステロン高値がなくてもNa⁺保持、高血圧、低K⁺血症を生じさせることがある。脂肪組織の11β-HSD1は、肥満や代謝異常における局所コルチゾール再生との関連が研究されている。