定義
生物学的同等性は、同じ有効成分を含む試験製剤と標準製剤について、適切な試験条件下で吸収速度と吸収量に臨床的に意味のある差がないことを統計学的に示す概念である。通常は対数変換したCmaxとAUCの幾何平均比および90%信頼区間を評価する。治療学的同等性は、生物学的同等性に加え、製剤学的同等性、品質、用法・用量なども含めた、より広い代替可能性の概念である。
イメージ
同じ有効成分量でも、錠剤の崩れ方や添加剤によって吸収曲線は変わり得る。試験製剤と標準製剤を同じ被験者へ交差して投与し、体内へ入る総量と速さが許容範囲に収まるかを比較する。濃度曲線が完全に一致する必要はない。
仕組み
典型的には健康成人を対象とした無作為化交差試験を行い、十分な休薬期間を置いて各被験者を自己対照とする。AUCは吸収量、Cmaxは吸収速度の代用指標であり、Tmaxは補助的に評価される。CmaxとAUCを対数変換し、製剤間の幾何平均比の90%信頼区間を求める。一般的な即放性製剤では、その区間が80.00〜125.00%に入ることが生物学的同等性を支持する基準となる。治療域の狭い薬、高変動薬、徐放製剤、内因性物質、生物学的製剤では、試験設計や基準が異なる場合がある。これは集団平均の曝露量を比較するもので、個々の錠剤や個人の濃度曲線が完全に同じことを保証するものではない。
例
即放性後発医薬品と標準製剤を空腹時交差試験で比較し、AUCとCmaxの幾何平均比の90%信頼区間が基準内なら、生物学的同等性が支持される。徐放製剤では、総AUCだけでなく時間区間別AUCや食後試験も必要となり、放出特性の差を確認する。