定義
用量比例性は、用量を一定倍率で増やしたときにAUCやCmaxが同じ倍率で増える性質であり、線形薬物動態を実務的に評価する指標である。蓄積係数は、反復投与時の定常状態における曝露量、頂値、またはトラフ値を初回投与時と比較した比である。一次消失を示す線形系では、消失速度と投与間隔から予測できる。
イメージ
用量を2倍にしてAUCも2倍なら比例的で予測しやすい。反復投与では前回分の一部が残っているところへ次の投与が加わり、流入と消失がつり合うまで濃度が積み上がる。その積み上がりの程度を蓄積係数で表す。
仕組み
用量比例性は、ln(薬物動態指標)= α + β ln(用量)というべき乗モデルで評価でき、βが1に近ければ比例性を支持する。βが1より大きい場合は初回通過代謝やクリアランスの飽和、1より小さい場合は溶解度で制限される吸収、結合変化、酵素誘導などを考える。線形1区画モデルを一定間隔τで反復投与する場合、蓄積係数はR = 1 /(1 − e^(−keτ))で表され、消失半減期が長いほど、投与間隔が短いほど大きくなる。定常状態到達には一般に半減期の約4〜5倍を要する。ただし、多区画性、フリップフロップ型薬物動態、時間変化するクリアランスでは、終末半減期と実際の蓄積が一致しない。AUC、Cmax、トラフ濃度の蓄積係数は同じとは限らない。
例
50、100、200 mgでAUCが1:2:4となれば用量比例性を支持するが、1:3:8ならクリアランス飽和などを疑う。半減期24時間の薬を24時間ごとに投与すると明らかな蓄積が起こるが、自己誘導によってクリアランスが上がれば予測より小さくなる。