定義
エフェロサイトーシスは、マクロファージ、樹状細胞、周囲の非専門的食細胞がアポトーシス細胞を認識し、取り込み、分解する過程である。アポトーシス細胞が放つ誘引信号、表面へ露出するホスファチジルセリンなどの貪食目印、橋渡し分子、食細胞受容体が協調する。これにより二次壊死を防ぎ、炎症を広げずに組織修復へ移行できる。
イメージ
アポトーシスでは、細胞が内容物を漏らす前に自らを小さくまとめ、回収を求める目印を出す。エフェロサイトーシスはその回収作業である。速やかに片づけば周囲は大きな事故として認識しないが、遅れると細胞膜が破れ、炎症を起こす物質が放出される。
仕組み
アポトーシス細胞はATP・UTP、CX3CL1、スフィンゴシン1リン酸などを放出して食細胞を呼び寄せ、カスパーゼ依存的にホスファチジルセリンを細胞膜外側へ露出する。食細胞はTIM4、BAI1、スタビリン、MerTK、Axlなどを介して直接認識するか、Gas6、プロテインS、MFG-E8などの橋渡し分子を介して結合する。受容体シグナルはRac1とアクチン再編成を促し、貪食杯を形成して死細胞を小胞内へ取り込む。その後、リソソームと融合して分解し、大量に流入したコレステロール、脂肪酸、アミノ酸をLXR、PPAR、AMPKなどの経路で処理する。同時にIL-10、TGF-β、炎症収束性脂質メディエーターの産生が増え、TNFやIL-1などの炎症性信号が抑えられる。多数の死細胞を連続して処理するには、受容体再利用と食細胞側の代謝適応が必要である。
例
動脈硬化巣では、マクロファージによる死細胞除去が不十分だと泡沫細胞が二次壊死へ進み、壊死性中心が拡大する。急性炎症では、役割を終えた好中球のアポトーシスとエフェロサイトーシスが炎症収束への転換点となる。胸腺では大量の自己反応性胸腺細胞がこの仕組みで除去される。