定義
ラベルドライン原理とは、各求心路が特定の感覚様式や受容部位と結び付いた固有の経路として働き、中枢神経系が『どの経路が活動したか』から刺激の種類と由来部位を解釈する考え方である。体部位局在とは、身体の隣接部位が脊髄、脳幹、視床、一次体性感覚野、一次運動野などで一定の空間配列を保って表現される性質である。
イメージ
電話線を流れる電気信号は似ていても、どの回線から着信したかで相手が分かるのと同じである。脳は活動電位の形だけでなく、どの配線から届いたかを読む。さらに多数の配線が身体の地図順に並ぶため、隣接部位の比較や位置の識別がしやすくなる。
仕組み
特定の受容器で生じた活動は、固有の末梢神経、脊髄路、視床核、皮質領域を通って伝わる。途中で収束と発散は起こるが、主要な位置関係は保たれる。一次体性感覚野では、対側身体が内側から外側へ概ね下肢、体幹、上肢、顔の順に配置される。手指や口唇のように感覚分解能が高い部位は、実際の身体サイズに比べて広い皮質面積を占める。この地図は固定ではなく、使用頻度、学習、末梢損傷、中枢損傷に応じて再編される可塑性を持つ。
例
視床や皮質の限局病変では、神経地図に対応した範囲の感覚・運動障害が現れる。四肢切断後にも失われた部位から感覚が生じる幻肢感覚は、末梢入力がなくなっても中枢の経路標識と身体地図が残ることを示す。