定義
非劣性試験は、新治療の効果が実薬対照より臨床的に許容できる差Δを超えて悪くないことを示す試験である。同等性試験は、二治療間の差の信頼区間全体が−Δから+Δまでの両側範囲内に入ることを示す。優越性試験で有意差がなかったという結果だけでは、非劣性や同等性を示したことにならない。境界の妥当性、試験感度、過去試験との一貫性が必要である。
イメージ
新治療が効果ではわずかに劣っても、副作用が少ない、費用が低い、投与が簡便などの利点があれば採用価値がある。その「わずか」の上限を試験前に臨床的許容差として決め、結果の不確実性を含む信頼区間全体が境界を越えないかを確かめる。
仕組み
非劣性境界Δは、実薬対照がプラセボへ示した過去の効果を基に、保持すべき効果割合と臨床的判断から設定する。非劣性試験では、新治療と対照治療の差が劣性側境界を越えないことを片側仮説で検証する。同等性試験では、差が−Δより大きく、かつ+Δより小さいことを二つの片側検定または信頼区間で示す。服薬不良、群間の治療移行、転帰判定誤差は群差を小さくし、誤って非劣性を示しやすい。このため、割付けどおり解析する集団と、計画どおり治療を受けた集団の両方で一貫した結果が望ましい。試験感度とは、本来有効な対照治療の効果を試験内で検出できる能力である。対照治療が十分に効かない条件では、両群が同じように悪くても非劣性に見える。
例
標準静注療法と短期経口療法の治癒率を比較し、新治療−標準治療の95%信頼区間下限が−10%という非劣性境界より上なら、非劣性を支持する。同等性試験では信頼区間全体が−10%から+10%の範囲に入る必要があり、片側だけを満たしても同等とはいえない。