定義
核小体は膜に囲まれない核内の凝縮体であり、リボソームDNAの転写、前駆体リボソームRNAの切断・修飾、リボソームタンパク質との組立を行う。形成途中の小サブユニットと大サブユニットは核膜孔を通って細胞質へ輸送され、最終成熟した後に翻訳装置として働く。核小体の大きさと活動性は、栄養状態、成長因子、細胞周期、細胞ストレスに応じて変化する。
イメージ
核小体は、細胞内のタンパク質製造機であるリボソームを量産する工場に相当する。核内で骨格となるRNAを作り、細胞質から運ばれた部品を組み合わせ、検査を通過した大小二つの部品として核外へ送り出す。
仕組み
RNAポリメラーゼIは45S前駆体リボソームRNAを転写する。小核小体リボ核タンパク質複合体がこれを切断・化学修飾し、18S、5.8S、28SリボソームRNAを作る。5SリボソームRNAは主にRNAポリメラーゼIIIによって核質で転写される。リボソームタンパク質は細胞質で合成された後に核へ輸入され、前駆体粒子へ組み込まれる。多数の組立因子による段階的な品質管理を経て、前駆体40Sと前駆体60Sが核外輸送される。mTORC1やMYCはこの過程を促進し、リボソーム生合成が障害されると、核小体ストレスを介してp53経路が活性化され、増殖停止や細胞死につながることがある。
例
増殖の速い腫瘍細胞や幼若細胞では、リボソーム生合成が盛んなため核小体が大きく目立つことがある。一方、リボソームRNAの加工やリボソームタンパク質の異常は、造血や頭蓋顔面など特定組織に強い先天性障害を生じさせることがある。