定義
感覚情報の符号化とは、物理的・化学的刺激を活動電位列へ変換した後、どの感覚経路が活動したか、どの程度の頻度で何個のニューロンが発火したか、いつ発火したかという情報から、感覚の種類、強さ、持続時間、位置を表現する仕組みである。知覚は単一ニューロンの活動だけでなく、多数のニューロン集団と中枢神経系の地図状表現から構成される。
イメージ
音、圧、痛みなどは最終的に同じ形式の活動電位へ翻訳される。それでも異なる感覚として分かるのは、どの配線が発火したかが種類を、発火頻度と参加人数が強さを、発火の時間変化が持続を、受容野の組合せが位置を伝えるからである。
仕組み
感覚の種類は、受容器の選択性と特定経路の活動によって表現される。刺激が強くなると受容器電位が大きくなり、一つの求心線維の発火頻度が増えるだけでなく、閾値の高い周囲の求心線維も動員される。持続時間は、緩徐順応性受容器と急速順応性受容器の発火パターンによって表される。位置は受容野、体部位局在、左右差、多数細胞の活動分布から推定され、側方抑制が境界を鋭くする。聴覚などでは刺激周期への位相同期も重要であり、同じ平均発火頻度でも発火時刻の構造が異なれば別の情報を持つ。
例
皮膚への圧刺激を強くすると、一つの求心線維の発火頻度が増えるとともに、周囲の受容単位も活動し始める。振動覚では刺激周期に同期した発火が周波数情報を伝える。視覚では網膜から視覚野まで保たれる位置関係と、多数の細胞の活動組合せから形や動きが再構成される。