原発性ALアミロイドーシスは、異常な形質細胞が産生したモノクローナルな免疫グロブリンの「軽鎖(L鎖)」が、アミロイド線維として全身の臓器に沈着し、重篤な機能障害を引き起こす致死的な疾患。多発性骨髄腫(MM)に合併することもある。
最終更新日: 2026年5月31日
原発性ALアミロイドーシスは、異常な形質細胞が産生したモノクローナルな免疫グロブリンの「軽鎖(L鎖)」が、アミロイド線維として全身の臓器に沈着し、重篤な機能障害を引き起こす致死的な疾患。多発性骨髄腫(MM)に合併することもある。
全身症状:強い倦怠感、体重減少。
心症状:息切れ、浮腫、失神(不整脈や心不全)。
腎症状:浮腫、泡立つ尿(ネフローゼ症候群)。
特異的症状:巨大舌、眼窩周囲の紫斑(アライグマの眼サイン:raccoon eyes)、手根管症候群による手指のしびれ。
組織生検(必須):腹壁脂肪、口唇、胃粘膜などの生検組織で、『コンゴレッド染色陽性(偏光顕微鏡で緑色偏光)』を確認。
血液・尿検査:血清または尿中の『遊離軽鎖(フリーライトチェーン:FLC)の異常高値・比の異常』、免疫固定法によるM蛋白の検出。
心エコー:心室壁の著明な肥厚(granular sparkling echo)。
化学療法:原因となる形質細胞を排除するため、多発性骨髄腫に準じた治療(ダラツムマブ、ボルテゾミブ、シクロホスファミド、デキサメタゾンなど)を行う。
自家造血幹細胞移植:若年で臓器障害(特に心不全)が重篤でない患者が適応となる。
臓器障害に対する対症療法(心不全に対する利尿薬など)。
病態
抗体(免疫グロブリン)の部品である軽鎖(Light chain)の構造が異常をきたし、水に溶けないゴミ(アミロイド)となって心臓、腎臓、消化管、末梢神経などに蓄積する。
試験・臨床での重要ポイント
『沈着する臓器ごとの多彩な症状』が問われる。
①心臓:心アミロイドーシス(心室壁の肥厚による拘束型心筋症、難治性心不全、不整脈)。生命予後を最も左右する。
②腎臓:ネフローゼ症候群(大量の蛋白尿)。
③消化管:巨大舌(マクログロシア)、吸収不良。
④神経:手根管症候群(正中神経の圧迫)、起立性低血圧。
病理組織検査における『コンゴレッド(Congo red)染色』が国試の絶対的キーワード。アミロイドが赤橙色(ダイダイ色)に染まり、偏光顕微鏡で見ると『アップルグリーン(黄緑色)の複屈折』を認めるのが決定打となる。
覚え方・コツ
「ALアミロイドーシスは『抗体の部品(L鎖)がゴミになって臓器に溜まる病気』!心臓に溜まれば心不全、腎臓ならネフローゼ、舌に溜まれば巨大舌(ベロがデカくなる)だ。生検をして『コンゴレッド染色で赤橙色、偏光顕微鏡でアップルグリーン』が見えたら一発確定!ゴミを作る大元の形質細胞を抗がん剤で叩くのが治療の基本だ!」
白血球減少症は、末梢血の白血球数が基準値(通常4000/μL未満)を下回る状態。臨床的に最も問題となるのは、細菌感染の防御を担う「好中球」の減少(好中球数1500/μL未満)であり、500/μL未満になると「無顆粒球症」と呼ばれ、致死的な感染症のリスクとなる。
非ホジキンリンパ腫は、ホジキンリンパ腫以外の全ての悪性リンパ腫の総称であり、日本のリンパ腫の90%以上を占める。B細胞性、T/NK細胞性に大別され、節外病変(胃、腸、甲状腺など)が多く、非連続性に飛び石のように転移する特徴がある。
慢性骨髄性白血病は、造血幹細胞の染色体異常(フィラデルフィア染色体)によって生じる骨髄増殖性腫瘍。異常なチロシンキナーゼ(BCR-ABL)が作られ、白血球(特に顆粒球系)が自律性に過剰増殖する。チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)の登場により予後が劇的に改善した。
慢性リンパ性白血病は、形態的に成熟した小型のBリンパ球が異常増殖し、末梢血や骨髄、リンパ節に蓄積する低悪性度の血液腫瘍。欧米の白血病では最多だが、日本人には極めて稀である。進行が非常に緩徐であり、無症状の場合は治療を行わず経過観察される。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
都内私立大学医学部卒業。現在は都内基幹病院にて初期研修中。学生時代はCBT・国試対策に注力し、学習法に関する情報発信にも関心を持つ。