脳動静脈奇形(AVM)は、脳の動脈と静脈が正常な毛細血管網を介さずに、ナイダス(nidus)と呼ばれる異常な血管の塊を介して直接つながっている先天性の血管奇形である。若年者の脳出血や、てんかん発作の重要な原因となる。
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脳内出血・くも膜下出血(約半数で初発症状となる):突然の頭痛、意識障害、片麻痺など。
てんかん発作(約30%)。
慢性的な頭痛、進行性の神経脱落症状(スチール現象による虚血)。
※無症状で、MRAなどで偶然発見される未破裂AVMも増えている。
画像診断:頭部CT・MRIで、流速の速い血管の集まり(flow void)や、出血の痕跡を確認する。
脳血管造影(アンギオ:確定診断):流入動脈(feeder)、異常血管網(nidus)、導出静脈(drainer)の構造と血流動態を詳細に評価する。
治療方針:破裂の危険性や患者の年齢を考慮し、以下の治療法を単独または組み合わせて行う。
①『開頭摘出術』:根治性が最も高い。出血例や表面に近い病変に適応。
②『血管内塞栓術』:カテーテルを用いてナイダスに塞栓物質(Onyxなど)を注入し血流を遮断する。摘出前の出血量減少目的でも行われる。
③『定位放射線治療(ガンマナイフ)』:3cm以下の小さな病変や、深部にあって手術困難な病変に適応。※効果が出るまでに1〜3年かかる。
病態
毛細血管という「血圧のクッション」がないため、動脈の高い圧力が直接、壁の薄い静脈に加わる。これにより静脈が異常に拡張し、破裂して出血(脳内出血やくも膜下出血)を引き起こす。また、血液が奇形部をショートカットして流れるため、周囲の正常な脳組織が血流不足(スチール現象)に陥り、てんかん等の原因になる。
試験・臨床での重要ポイント
「10〜30代の若年者」が「脳出血(SAHや脳内出血)」や「てんかん(痙攣)」を起こした場合、真っ先に疑うべき疾患である(高血圧性脳出血は中高年)。
治療方針の決定には、大きさ、周囲の脳の重要度(eloquence)、静脈の還流方向を点数化する『Spetzler-Martin(スペッツラー・マーティン)grading』が用いられる。
覚え方・コツ
「AVMは『動脈と静脈の間のクッション(毛細血管)がない、先天的な血管のバグ』!高い血圧が直接静脈にぶつかるから、若いうちにパンクして脳出血を起こす。若者の脳出血やてんかんを見たらコレを疑え!治療は『ナイダス』という血管の塊ごと手術で切り取るか、カテーテルで固めるか、放射線で焼き切る!」
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CIDPは、自己免疫学的機序により、末梢神経のミエリン鞘(髄鞘)が慢性的に破壊(脱髄)される疾患。ギラン・バレー症候群(GBS)と類似の病態だが、2ヶ月以上かけて進行、または再発と寛解を繰り返す点で異なる。ステロイドが第一選択となる。
神経線維腫症1型(von Recklinghausen病:レックリングハウゼン病)は、第17染色体にあるがん抑制遺伝子(NF1遺伝子)の変異によって生じる常染色体顕性(優性)遺伝疾患。カフェ・オ・レ斑と多発する神経線維腫を特徴とし、全身の多彩な合併症を伴う。
三叉神経痛は、顔面の感覚を司る三叉神経(第V脳神経)が、脳幹からの出口付近で血管(主に上小脳動脈)に圧迫されることで、顔面に突発的で激しい「電撃痛」を繰り返す疾患。抗てんかん薬であるカルバマゼピンが特効薬となる。
ビタミンB1(チアミン)の欠乏により、糖代謝が障害されてATPが産生できなくなり、末梢神経障害や心不全、中枢神経障害をきたす疾患。心不全を伴う「湿性脚気」、末梢神経障害主体の「乾性脚気」、そしてアルコール依存症等に合併する中枢神経障害「Wernicke(ウェルニッケ)脳症」が有名。