アスピリン喘息(NSAIDs過敏喘息:AERD)は、解熱鎮痛薬(NSAIDs)を服用した後に重篤な喘息発作を誘発する疾患である。成人女性に多く、鼻茸(鼻ポリープ)や嗅覚障害を合併しやすい。アスピリンをはじめとする酸性NSAIDsは絶対禁忌である。
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NSAIDs(内服、坐薬、貼付薬、点眼など)使用後、数十分〜数時間以内に鼻汁、鼻閉が出現し、激しい咳嗽・喘鳴(大発作〜重積発作)をきたす。
慢性的な鼻症状:慢性鼻鼻副鼻腔炎、多発性鼻茸、嗅覚障害。
問診:NSAIDs服用後の喘息発作の既往、鼻茸・嗅覚障害の合併から強く疑う。
負荷試験(専門施設で実施):診断を確定するために、アスピリンの経口・吸入・静注負荷試験を行う。
※一般的なアレルギー検査(IgE抗体など)では診断できない。
発作予防(絶対的鉄則):『酸性NSAIDs(アスピリン、ロキソプロフェン、イブプロフェン、ジクロフェナクなど)の完全回避』。
代替薬の選択:解熱鎮痛が必要な場合は、塩基性NSAIDs、アセトアミノフェン、またはCOX-2選択的阻害薬(セレコキシブ)を用いる。
喘息の長期管理:通常の吸入ステロイド薬(ICS)に加え、病態の主因を抑える『ロイコトリエン受容体拮抗薬(プランルカスト、モンテルカストなど)』が極めて有効である。難治例には抗IL-4Rα抗体(デュピルマブ)などの生物学的製剤を使用する。
病態
アレルギー(IgE介在性)ではない。NSAIDsがシクロオキシゲナーゼ(COX-1)を阻害することで、アラキドン酸カスケードがもう一つの経路(リポキシゲナーゼ経路)へ過剰にシフトし、強力な気管支収縮物質である『ロイコトリエン』が大量に産生されるために発作が起きる。
試験・臨床での重要ポイント
「中高年女性」が「風邪薬(ロキソニンなど)を飲んだ直後」に「激しい喘息発作」を起こすエピソードが定番。さらに『鼻茸(鼻ポリープ)』や『嗅覚障害(においがわからない)』を合併しているのが最大のキーワード。サリチル酸が含まれる湿布薬(貼付剤)や塗り薬でも発作が起きる点に注意。
治療・管理上の絶対的鉄則は『全てのCOX-1阻害薬(一般的なNSAIDs)の禁忌』。発熱・疼痛に対しては、比較的安全な『アセトアミノフェン』や『COX-2選択的阻害薬(セレコキシブなど)』を慎重に使用する。
覚え方・コツ
「アスピリン喘息は『ロキソニン・湿布で息ができなくなる』恐怖の体質!中年女性で『鼻にポリープ(鼻茸)』があって『においがわからない』人が風邪薬を飲んだらアウト!原因はアレルギーじゃなくて、薬のせいで『ロイコトリエン(気管支を絞める物質)』が爆発的に増えるから。解熱鎮痛薬は『アセトアミノフェン』しか使っちゃダメ!」
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肺胞出血症候群は、肺胞内の毛細血管が破壊され、広範な肺胞内出血をきたす病態の総称。「喀血」「進行性の貧血」「胸部X線でのびまん性浸潤影」の三徴を呈し、ANCA関連血管炎やGoodpasture症候群などの自己免疫疾患が主な原因となる。
過換気症候群は、精神的・心理的ストレスを背景に発作的な過呼吸状態となり、血液中の二酸化炭素(CO2)が過剰に排出されることで、呼吸性アルカローシスおよび様々な身体症状をきたす病態である。
薬剤性肺障害は、医薬品の副作用として引き起こされる肺疾患の総称であり、多くは「薬剤性間質性肺炎」の形態をとる。原因薬剤の同定と速やかな中止が治療の第一歩となる。
びまん性汎細気管支炎(DPB)は、呼吸細気管支(気道と肺胞の移行部)を中心に慢性炎症をきたす、日本を中心とした東アジアに特異的な疾患。副鼻腔炎(蓄膿症)を高率に合併し、マクロライド系抗菌薬の少量長期投与が劇的に奏効する。